2024.09.24
【STRIDE LAB別注】Teton Bros. / Luft Down Full ZIP レビュー:1年中活躍する軽量ダウンがさらに使いやすく進化!
こんにちは。STRIDE LAB OFFICIAL のニシカワです。
本日はTeton Bros.にSTRIDE LAB とさかいやスポーツ が別注をかけた 限定アイテム『LUFT DOWN FULL ZIP(ルフトダウンフルジップ)』 のご紹介。
こちらはSSシーズンにも人気を博したライトダウン「Luft Jacket」をベースに、細部の仕様をアップデートした特別な1着です。
本ブログでは、そんなスペシャルなアイテムのスペックから特徴までまとめて解説。
これからの秋の山行には必携の1着です!ぜひ最後までお読みください!
・通年活躍する軽量コンパクトなダウンが欲しい
・ダウンについて基礎的な知識が知りたい
Contents
Luft Down Full Zip 基本スペック
カラー | Gray, Dark Navy |
サイズ | XS・S・M・L・XL |
素材 | 生地:ナイロン 100% 中綿:ダウン90% フェザー10% |
価格 | ¥36,300(税込) |
ルフトダウンフルジップはその名が示す通り、 軽量性を意識したダウンジャケット 。
※Luft(ルフト)はドイツ語で「空気」という意味
カラーはインラインでも展開があったGray、Dark Navy の2色。どちらも使いやすい色味です。
表地には7D(デニール)のリサイクルナイロンを使用。マットな光沢感が雰囲気良しです。
男女共通のデザインでサイズはXSからXLまで豊富に展開しています。(サイズ感などもあとでご紹介します)
商品ページはこちらダウンの基礎知識
製品の詳細の前に、
ダウンそのものについて今一度おさらいしてみたいと思います。
ダウンってなに?フェザーとの違いは?
知っている方も多いかとは思いますが、
まずはダウンとはなに?というところから始めましょう。
ダウンとは水鳥の胸部から採れる綿毛 のことで、小さな核から延びる2本以上の羽枝から形成されています。
羽枝の数が多いものは球状になるためダウンボールとも言います。ダウンの品質は基本的にこのダウンボールの含有量に依存します。
ダウンは、ふわふわと柔らかく、空気を沢山含むことができるので、軽いにも関わらず保温性に非常に優れています。
そんな水鳥からはダウンだけでなく、もう1つ「フェザー」という繊維が採れます。これもダウンを使った衣類には必ず使われます。
ダウンジャケットの品質表示を見ると必ず「ダウン 〇〇% フェザー〇〇%」という表記を目にしますよね?
ちなみに、皆さんはダウンとフェザーの違いってわかりますか??
フェザーも同じ水鳥から採れる天然繊維で、いわゆる羽根 のことです。
フェザーは、ダウンと比べると羽軸が大きいため重たくなり、保温性も劣ります。
という疑問も湧いてきそうなところですが、
弾力性の高いフェザーが入ることでダウンの型崩れを防ぎ、ロフトの復元力を高めることができます。
いくらいいダウンでもペシャンコの状態では保温性を発揮できないため、ある程度は弾力性に優れたフェザーを混ぜる必要性があるわけです。
また、そもそもダウンとフェザーの完全な分離は不可能だそうです。
ダウンとフェザーの割合は?
では、どれくらいの割合でダウンとフェザーを混ぜるのが理想的かというと、
ダウンボールの含有量が品質に大きく関わるため、ダウンが多ければ多い方がいいとされています。
一般的にはダウン 8:フェザー 2くらいの割合で、高品質なものだとダウン 9:フェザー 1のものが大半です。
フィルパワーって?
ダウンの暖かさを示す指標として、「フィルパワー」というワードを見聞きしたことがあるかと思います。
フィルパワーとは、羽毛の「かさ高性」を示す数値 で、同じ量の羽毛をシリンダーの中に入れて一定の荷重をかけた際、どのくらいふくらむかを数値化したものです。
ふくらみがあればあるほど空気の層(デッドエア)を溜め込めるので、フィルパワーが高い=保温力のある良質なダウンということになります。
ダック?グース?
フィルパワーやダウン量の他にもダウンの品質を示す目安があって、それは どの種類の水鳥から採ったダウンか? ということです。
ダウンに使われる水鳥は、大体「ダック(アヒル)」か「グース(ガチョウ)」が一般的です。
(アイダーダックと呼ばれる野生の鴨から採れる超希少なダウンも存在します)
ダック(アヒル) |
グース(ガチョウ) |
ダックよりもグースの方が高品質とされています。
理由としては、 グースの体はダックよりも2倍も大きく、採れるダウンボールもそれに比例して大きい からです。
また、ダックが雑食であるのに対してグースは草食のため、獣臭が少ないともされています。
化繊綿(中綿)との違いは?どっちがいいの?
ダウンと化繊の中綿はどう違うのでしょうか?
化繊綿はポリエステルなどを用いて人工的に作られた素材のことで、有名どころだと「プリマロフト」や「シンサレート」などがあります。
羽毛と同じく空気を溜め込む構造により保温性がありますが、綿状のものだけでなくシート状になっているものなど形状は様々です。
よくある質問で、ダウンと化繊のどちらが優れているか?というのがありますが、
綿の量や質、バッフルの構造などにもよるので一概にこっち!と答えることはできません!!
ですが、違いとしては一般的に以下のようなものが挙げれます。
ダウン | 化繊 | |
保温性 | 高い | ダウンには劣る |
重量 | 軽い | 重い |
収納サイズ | コンパクト | ダウンには劣る |
耐水性 | 低い | 高い |
扱いやすさ | 注意が必要 | 扱いやすい |
価格 | 高い | 低いものが多い |
ダウンは重量比で保温性に優れるため軽く、素材の収縮性も高いのでコンパクト にしまうことができます。
なので軽量性、携行性が重視される登山などにおいてはうってつけです。
しかしながらダウンは水濡れに非常に弱く、濡れてしまうとロフトがなくなり保温力をキープすることができなくなります。
一方で 化繊は耐水性に優れており、悪天候や長期の使用でもロフトを失うことがありません 。
つまり、濡れた状態でも保温力を失わないということです。
汗をかいても問題ないのでダウンと違って行動着としても着用できるというのもメリットです。
また、洗濯が容易に出来るなど扱いが楽ちんというのも魅力的です。
ただ、ダウンに比べると重たくて嵩張るものがほとんどで、ダウンに迫るレベルの軽量性を持っているものはコストが高かったりします。
このようにどちらも一長一短なので、
どの部分を重要視するかや、天候・気候・行く場所など様々な要素を踏まえて選択していく 必要があります。
ダウンの基礎知識まとめ
以上の知識をまとめるとこのような感じです。
・ダウン、フェザーは水鳥から採れる羽毛
・ダウンとフェザーの割合は 8:2、9:1がオススメ
・フィルパワーは「かさ高性」を示す数値。高い方が保温力がある
・ダックとグースならグースの方が高品質
・ダウンは軽くてコンパクト。化繊は水に強く取扱がラク
LUFT DOWN FULL ZIP の特徴
前置きが長くなりましたが、
それではルフトダウンフルジップの特徴を見ていきましょう。
まずはインラインと共通の特徴から。
800FPの撥水ダウンを使用
中綿には 800FPの高品質ダウン を使用。ちなみに割合はもちろんダウン90%・フェザー10%です。
インナーダウン的な運用も考えているためダウン封入量は多くないですが、それでも800FPというだけあってしっかりとロフトが立ちます。
また、撥水処理をしているので湿気に強く、大汗をかいた後の休憩時や長期の縦走での連日の着用でもロフトが落ちにくいです。
パッカブル
ザックにしまう時はフロント左胸にあるポケットに収納可能。
気持ち大きめのサイズでスムーズに パッカブル可能 です。
平たい形状なのでザックにパッキングした際もデッドスペースが発生しにくいです。
程よいリラックスフィット
ゆる過ぎずタイト過ぎない絶妙なフィット感で、
夏の高山ではアウターレイヤーとして、秋冬はミドルレイヤーとして通年通して活躍できそうなちょうどいい塩梅に仕上げてあります。
腕周りもゆとりがあるので、中にフリースなど肉厚なものを着込んだ際も突っ張る感じがありません。
別注ポイント
続いて、別注での変更点を見てみましょう。
軽量なインサレーションとして、すでに完成度の高いルフトジャケットですが、
以下の変更を加えることでより使い勝手のよいダウンジャケットにアップデートしております。
・フロントにサイドポケットを追加
・袖口をインナーリブ仕様に変更
・裾周りをドローコードに変更
フロントジップをハーフからフルに変更
より脱ぎ着がしやすいようにフロントのジップを フルジップに変更 しています。
ジップが長くなったことで多少の重量の増加はありますが、それでもMサイズで実測 230gと軽量級です。
ダブルジップなので換気もしやすく、なによりプルオーバーではないのでデイリーにも使いやすい仕様となっています。
フロントにサイドポケットを追加
また、インラインにはない フロントポケットを追加 。
ちょっとしたものを入れたり、ハンドウォーマーとして使ったり、ポケットはあるに越したことないですね!
ポケット位置も生産効率を考えるとサイドのシームに沿って付けるのが楽なんですが、手の出し入れしやすさを考えてやや内側に振った位置にしました。
ポケットはジップつきで風雨の侵入も防ぎます。
袖口をインナーリブ仕様に変更
袖口はコールゴムから インナーリブの仕様に変更 しています。
表からは見えないためスポーティな雰囲気が抑えられるのと、より手首にフィットするため寒気の侵入を防ぐことができます。
裾まわりにドローコードを追加
裾まわりもゴムのパイピングだったものを、両サイドに ドローコードを追加 することで調整可能にしました。
停滞時の寒い時は引っ張って寒気の侵入を防ぎ、暖かい時は緩めて熱を放出するなどシチュエーションに合わせて調整が可能です。
商品ページはこちら
LUFT DOWN FULL ZIP を着てみた
最後に、ルフトダウンフルジップのサイズ感、着てみた感想をお伝えしたいと思います。
サイズ感
XSからXLまで豊富にサイズ展開があるルフトダウンですが、サイズスペックは測ってみたところ以下のような感じでした。
XS | S | M | L | XL | |
着丈 | 66 | 66.5 | 67.5 | 69.5 | 70.5 |
肩幅 | 42 | 44 | 45 | 46.5 | 47.5 |
袖丈 | 62.5 | 63.5 | 64 | 66 | 69 |
身幅 | 52 | 55 | 56 | 59 | 60 |
重量 | 217g | 225g | 230g | 242g | 251g |
※平置きで計測
あくまで目安ですが、このような結果でした。
重量などは外的環境によって変わりますので参考値程度に捉えていただけると幸いです。
普段ティートンはLサイズが多い、わたくしニシカワ(身長175cm体重66kg)が着用したところ、
これに関しては Mサイズ がちょうどいい感じでした。
裾がドローコード仕様になったことで着丈の短さも気にならず、下に着込んだ際も身幅袖幅に関してはかなりゆとりがありました。
Lサイズでも大きすぎるというほどではないですが、少々野暮ったく見えたのでタウンユースすることも踏まえるとMサイズが適正な気がしました。
着用インプレッション
着てみた感想としては、まずとにかく軽い!
ジップが増えた分重さは多少出ているはずですが、体感としては気になるほどではない感じでした。
それよりも下からも開けられることで換気が効率よく出来たり、座った際もテンションを逃すことができたりと使い勝手が増したように感じました。
裾がドローコードで調整可能になったのも臨機応変に対応ができて個人的には嬉しいポイントでした。
商品ページはこちらまとめ:こんな人におすすめ
以上、「【STRIDE LAB別注】Teton Bros. / Luft Down Full ZIP レビュー:1年中活躍する軽量ダウンがさらに使いやすく進化!」でした!
元々Luft Jacketは、軽さと保温力、着用シーンの長さから完成度の高い1着でしたが、
別注使用で細部をアップデートしたことでさらに汎用性が増したように思いました!
山の上では早いところはもう紅葉目前!ぐんぐんと気温が冷え込んで短い夏が終わろうとしています。
ぜひこのダウンで快適で楽しい登山を楽しんでいただけたらと思います!
気になる方はぜひ全国のSTRIDE LAB までお立ち寄りください。
・軽量コンパクトなパッキングの登山がしたい人
・アウター、ミドルレイヤーどっちもいけるダウンが欲しい人