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<2024年版>Teton Bros. レインウェア徹底比較:それぞれの特徴・サイズ感・適正シーンについて

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こんにちは。STRIDE LAB OFFICIAL のニシカワです。

 

先日、Teton Bros.より秋冬シーズンの定番レインウェア「TB Jacket」「Tsurugi Jacket」の2型が入荷してきました。

数多くの機能的なアウトドアウェアをリリースしているティートンブロスですが、バックカントリーを出自に持つ彼らにとって、この2つはまさにブランドを象徴する特別な存在と言える気がします。

Teton Bros. の今季のレインウェアは、この2つの他にも「Tsurugi Lite Jacket」「Feather Rain Jacket」を加えた 計4モデル を展開中。

バリエーションがこれだけ豊かに揃っていると嬉しい反面、これからレインウェアを選ぼうという方にとっては、どれを選べばいいのか迷ってしまうこともあるのではないでしょうか?

 

ということで今回のブログでは、Teton Bros.のレインウェア24年モデルを一挙にご紹介

それぞれの特徴やスペックの比較、どんな違いがあるかやどういったシチュエーションに最適なのかをまとめてご紹介していきます。

 

適切なウェア選びが快適登山の1番の近道です。このブログを読んで、ぜひご自身のピッタリの1着を見つけてみてください!!

 

この記事はこんな人にオススメです!
・Teton Bros. が好き
・24年展開のレインウェアの違いが知りたい(特徴・サイズ感・適切な着用シーン)

はじめに

スペック至上主義にサヨナラ!足るを知るレインウェア選び!

登山において三種の神器とも表現されるくらい重要なアイテムが「レインウェア」。みなさんも1つは必ず持っているかと思います。

ただ、ひと口にレインウェアといっても、その種類や特徴はさまざま。

ついつい、「高スペックなものを1つ持っておけば安心」と思いがちですが、快適かつ安全に活動するという前提で考えると、実はそれだけでは不十分。

登る山の時期や気候、山岳環境や自分が登るスタイルなどの要素によって求められる性能も変わってくるため、選び方にはそれなりに工夫が必要です。

また、他のレイヤーに比べると出番が少なかったりするので、

「安物でも防水できるからこれでいいか」と軽く選んでしまう方も少なくないかもしれません。

確かにギアを揃えるのはお金がかかるので気持ちはわからなくないのですが、結果的にそれが快適性を失ったり、場合によって安全に関わるリスクになることも。

つまり快適なアウトドア体験を満喫するには、しっかりと自分に合った機能を理解し、過不足のない、つまり 「足るを知る」 レインウェア選びが重要です!

Teton Bros.の防水生地「Täsmä(タズマ)」について

Teton Bros. のレインウェアにはオリジナルの防水通気素材 「Täsmä」 が採用されています。

これはTeton Bros.と日本の東レが共同開発によって実現した素材で、その特徴は「防水通気」と表現したように、物理的に衣服内の空気を外に逃すような抜群に高い通気性にあります。

なので、運動強度や外的環境の影響を受けにくく、あらゆるシチュエーションにおいて衣服内の蒸れを物理的に逃しながら行動が可能です。

加えて、高い撥水能力を有しているというのもTäsmäの生地の魅力。

いくら耐水性が高い防水メンブレンを使用していても、撥水性が失われると生地の上が水の膜に覆われ、衣服内の湿気を外に逃すことができなくなるので、生地表面の水分を弾く撥水性も極めて重要です。

Täsmäに使われている撥水加工は現時点で 世界最高水準のDWR(耐久撥水)加工 が施されているため、そういった心配がありません。

また、それと同時に高い撥油性も有しているため、汗や皮脂汚れによって撥水能力が著しくダウンしてしまうこともありません。

 

Täsmäに関しての詳しい説明はこちらをご覧ください↓

 

各モデルの概要

ティートンブロスのレインウェアの大きな特徴がわかったところで、それぞれのモデルの特徴を見ていきましょう。

TB Jacket

まずはブランド名を冠した「TB Jacket」

バックカントリーに特化した定番モデルで、リリース以来大きく形を変えることなく細部をアップデートして熟成を続けている フラッグシップモデル  フラッグシップモデル です。

しなやかかつ耐久性のあるシェル生地

表地:50D 66ナイロン×2

裏地:20Dナイロン

表地は耐摩耗性に優れた 66ナイロンを使用しているため、強度は折り紙つき。

糸の太さは後述するTsurugiと同じく50Dのメカニカルストレッチナイロンを使用していますが、面白いのがTB Jacketはそれを2本引き揃えて織り上げているということ。

なので50Dと同等のしなやかさを持ち合わせつつ、強度は100D並といういいとこ取りな生地となっています。

裏地は吸汗速乾性にすぐれた20Dのナイロンニットバッカーで肌触りがよく、シェルにあるようなゴワゴワした感触がありません。

特徴的な八の字のベンチレーション

胸元から脇腹まで斜めに大きく開くジップは、衣服内の蒸れを外に逃すベンチレーション 世界最高水準のDWR(耐久撥水)加工 の役割を果たします。

斜めになっていることで大きな動脈が通る脇の下を効率的にクールダウンすることが可能で、バックパックを背負っている際もショルダーハーネスと干渉することがありません。

また、フロントジップを開けることなく、インナーのビブポケットなどへのアクセスも容易になります。

可動域を考え抜いた立体的な構造

肩周りや背中周りなど、動きによって体積変化が大きい箇所は可動域を確保したTB独自のカッティングが施されています。

そのため身体の動きによって他のパーツがとられることなく、ハードシェルでありながらストレスなく着用することが可能です。

フィールドでの快適性を考え抜いたディテール

あらゆつディテールが雪山での快適な使用を想定して作り込まれています。

立体的な構造のフードはヘルメットの着用を想定したサイズ感で、フィット感がありながら窮屈感がなく収まります。

また、前面に配されたアジャスターをひっぱると縦横両方向の調整が可能。リリースも押し込むだけのワンアクションで済むためグローブをした状態でも操作がしやすいです。

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他のレインシェルに比べてポケットワークが多彩で、フロント胸元のポケットに加えて袖口にもポケットが付属。インナーポケットはグローブを入れられる広めの開口部が特徴的で、濡れたアイテムを体温で乾かせるようにメッシュ状になっています。

さらに袖口は厚手のグローブをした状態でも脱ぎ着がしやすい広めの形状。

もちろんベルクロで調整可能なので外気の侵入はシャットアウトしてくれます。

 

Tsurugi Jacket

続いては、こちらも幅広いアクティビティで愛されるブランドの顔的存在ともいえる「Tsurugi Jacket」

元々はアイスクライミング用に設計されたシェルですが、その実用性を考え抜いた機能的なディテールが評価され、スノーボーダーやハイカーなど本当に 幅広いアクティビティで人気 となっています。

耐水性・透湿性・着心地のバランスに優れたシェル生地

表地:50Dメカニカルストレッチナイロン

裏地:20Dナイロン

基本的な構成はTB Jacketと似ていますが、こちらは軽量性と耐久性を併せ持つ50Dのストレッチナイロンを表地に使用しています。

そのためTB Jacketが主に厳冬期の登山やBCなどのウインターアクティビティを想定しているのに対し、このTsurugi Jacket は冬山から無雪期の登山まで幅広く使えるバランスに仕上がっています。

アイコニックなデザインの斜めジッパー

1度目にしたら忘れない、首元から大きく開く斜めジッパーは、TB Jacketと同様に効率的な換気を促すとともにプルオーバー型でネックとなりがちな着脱のしにくさを解消

加えて、フロントにジップがなくなることで下を向いた際にもジップがたわんで足元の視認性が悪くなるといったことがありません。

ニシカワ
垂直方向の移動がメインとなる、アイスクライミングを想定したプロダクトならではのアイデアですね!

腕を上げやすい立体構造

最小限のカッティングに抑えたシンプルな面構えですが、可動域がしっかりとられた立体的な構造は健在です。

特に腕上げの動作が多いアイスクライミングを想定して、肩周りの設計は最大限の可動域が取れるようになっています。

フィールドでの快適性を考え抜いたディテール

こちらもTB Jacketと同様に1つ1つのディテールに意味があります。

立体的なフードはアイレットストッパーが前面にあるので調整が容易に可能です。

裾のストッパーはサイドではなく、前面のセンターに配置。

これはクライミング時にハーネスのギアループにセットしたガチャ類との干渉を避けるためにこの位置になっています。

袖口はTB Jacketと同じベルクロで調節する仕様で、グローブの上からでも着用しやすいです。

 

Tsurugi Lite Jacket

Tsurugi Jacketの革新的な特徴を引き継ぎ、 春夏のより高温多湿な環境でも快適に過ごせるように素材と仕様をリデザインしたモデル がこの「Tsurugi Lite Jacket」

春夏用とはいえスペックに関しては申し分なく、限定的な使用に限らず通年を通して人気の高いモデルです。

Tsurugi Jacket より軽量性に優れたシェル生地

表地:ストレッチナイロン

裏地:10Dナイロンニットバッカー

他のレインシェルと同じくTäsmäを使用しつつ、表地と裏地をより薄手な素材に変更しています。

薄手の素材に変更したことで、夏場の高温多湿な環境においても蒸れをしっかりと逃がしてくれるだけでなく、肌触りもよりしなやかなものに進化しています。

アイコニックなデザインの斜めジッパー

Tsurugi の名を冠するだけあって特徴的な斜めジッパーはそのまま継承

大きくガバッと開くためベンチレーションとして効率的に換気ができ、着脱も容易になります。

通常のTsurugiと異なる点としてはフロントポケットのジップが反対側ではなくベンチレーションジップと同サイドに配されています。

必要最低限のシンプルなディテール

240gの軽量性を生み出すために余計なディテールは削ぎ落としながら、アウトドアで安心かつ快適に過ごすためのディテールはしっかりと残しています。

フードはヘルメット非対応な分すっきりとしたシルエット。

それでも前面にアジャスターがついているので風でばたつかないように調整が可能です。

裾のアジャスターは、右側1箇所のみ。引っ張るだけのシンプル設計です。

春夏用だけあって袖口はカフ形状ではなくコールゴムの仕様

手首にしっかりとフィットして風の侵入を防ぎます。

Feather Rain Jacket 

最後が軽さに重きを置いた春夏用のレインシェルである「Feather Rain Jacket」

ティートンブロスのレインシェルの中で 圧倒的な軽さ を誇りつつも、耐水性・透湿性だけでなく、非常に強い耐摩耗性を有するなどヘビーデューティなつくりが特徴的です。

軽さ・着やすさ・安全性のいずれも高スペックのシェル生地

こちらのジャケットのみTäsmäではない防水透湿素材を使用。

それでも耐水圧20,000mm、透湿性20,000g/㎡/24hという非常に高いスペックを有しています。

またメカニカルストレッチを有したコーデュラナイロンを使用しているため、アルプスの岩場でも安心な高い耐摩耗性を有しています。

200gを切る圧倒的な軽さ

なんといっても200gを下回る脅威的な軽さは魅力的。

これなら晴れの日の山行でも、バックパックに携行しておくのが苦ではないですね。

シンプルながら考え抜かれたディテール

各部のディテールは軽さに振っている分非常にシンプルで、フードのアジャスターは後方1箇所のみ。

春夏の使用を想定したジャケットなので、ベンチレーションは孔を開けて常に換気する仕様などと理にかなった設計になっています。

 

フェザーレインジャケットに関しての詳しい解説はこちらから↓

軽いだけじゃない!!Teton Bros. / Feather Rain Jacket , Feather Rain Pants 着用レビュー

各モデルの比較

スペック一覧

TB Jacket

Tsurugi Jacket

Tsurugi Lite Jacket

Feather Rain Jacket

防水メンブレン Täsmä Täsmä Täsmä 3レイヤー防水膜
表地/裏地 50D ×2 66ナイロン/
20D ナイロンニットバッカー
50Dストレッチナイロン/
20D ナイロンニットバッカー
ストレッチナイロン/

10D ナイロンニットバッカー

20Dコーデュラナイロン/
7Dトリコット
重量 585g 360g 240g 190g
袖形状 ベルクロ ベルクロ ゴム ゴム
フロントポケットの数 2個 1個 1個 1個
形状 ジップアップ
(ダブルジップ)
プルオーバー プルオーバー ジップアップ
(シングルジップ)
価格(税込) ¥69,300 ¥53,900 ¥41,800 ¥31,900

スペックの違いを一覧でまとめてみました。

4モデル中3つは同じTäsmäを使用していますが、基布(表地、裏地)との組み合わせのバランスや糸の太さの違いによって防風性や通気性などの感覚が変わってくると思います。

 

サイズ比較

TB Jacket

Tsurugi Jacket

Tsurugi Lite Jacket

Feather Rain Jacket

着丈 76 79 78 75
裄丈 88 88.5 87 86.5
身幅 56 58 56 56

各モデルMサイズを平置きで採寸してみました。

ジップアップ型とプルオーバー型で比較してみると、上から被る必要があるプルオーバー型の方がややゆとりがあるような結果となりました。

Tsurugi と Tsurugi Lite を比較すると、中のレイヤーの厚みが出てくるTsurugiの方が一回りくらいゆとりのある作りになっています。スペック上だと微差程度ですが着てみるとハッキリわかるくらいには違います。

とはいえ、極端に大きな差ではないので、どれかお持ちのモデルがある方はそれと同じサイズをお選びいただければ安心かと思います。

 

あなたはどのジャケット?

最後に、各モデルの特徴を踏まえた上で、どんな人やシチュエーション、アクティビティにオススメなのかをお伝えしていきます。

一概にこれだけしか使えないというわけではありませんが、直近で山に行く予定がある方はぜひ参考にしてみてください。

TB Jacket がオススメな人

TB Jacket はこんな人にオススメ

・BCクロカン、スノーボードをがっつり楽しみたい
・厳冬期の登山など極限の環境でも安心感のあるスペックが欲しい
・休憩時もバックパックを下さずに行動したい

フラッグシップモデルであるTB Jacketはやはり、 冬山の特にウインタースポーツを楽しみたい人にオススメ と言えそうです!

多彩なポケットワークやベンチレーションを兼ねたアングルジッパーでインナーへのアクセスも容易なため、バックパックを背負ったまま、ジャケットを脱がずとも行動が可能。

咄嗟にアバランチギアの取り出しが求められるバックカントリーなどには持ってこいのジャケットです。

Tsurugi Jacket がオススメな人

Tsurugi Jacket はこんな人にオススメ

・1年間通して山を楽しみたい
・登山だけでなくウインタースポーツもマルチに楽しみたい
・できる限り着続けられるウェアが欲しい

Tsurugi Jacketはもう少しライトな冬山を楽しみたいという方や、 オールシーズン・オールジャンルで使えるレインウェアが欲しいという方には最適 かもしれません!

しっかりした防風性、耐久性がありながら、Täsmäによる高通気とストレッチ性で着用時のストレスが少なく、冬の時期であれば行動中も中のレイヤリングの工夫で着続けることが可能です。

Tsurugi Lite Jacket がオススメな人

Tsurugi Lite Jacket はこんな人にオススメ

・登山からトレラン、冬のランニングまでシーン問わずに使いたい
・登山は夏のアルプスや冬場は低山がメイン
・レインシェルだけでなく、ウインドシェル的な使い方もしたい

登山は最近始めたばかりで、 山を楽しむのは夏がメインという方や、どちらかといえばトレランやランニングで使いたいという方 はTsurugi Liteがオススメです!

より軽くて通気性も抜群なので、夏場の使用がメインという方やぐんぐん進んでいくスピードハイクが好きという方にはバッチリです。またしなやかな着心地を考えるとレインウェアだけでなくウインドシェルとしてマルチに活躍が期待できる点もオススメです!

Feather Rain Jacket がオススメな人

Feather Rain Jacket はこんな人にオススメ

・レース向きの超軽量なレインウェアが欲しい
・晴れた山行でのお守り代わりのレインシェルが欲しい
・基本的に山に行くのは晴れた時だけ

別に使わなくても気にならないくらい、とにかく軽いレインウェアをお探しの方はこちら!

特にグラム単位の軽量化が必要になってくる山岳レースでの必携装備としてのレインシェルを探している方にはFeather Rain Jacketは間違いない選択になってきます。

また、晴れ予報の日であってもこれくらいの軽さのレインウェアであればバックパックに入れておくのも苦ではないですよね。天候が荒れそうだったら山にはそもそも行かないよという方にもぜひオススメです。

まとめ

以上、「<2024年版>Teton Bros. レインウェア徹底比較:それぞれの特徴・サイズ感・適正シーンについて」でした。

それぞれのレインシェルの違いは分かりましたでしょうか?

見た目や素材は似たような感じでも適切な着用シーンはそれぞれ微妙に変わってきます。

ぜひご自身に合ったレインシェルを見つけて、快適で安全なアウトドア体験を満喫しましょう!!

 

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