2025.11.14
登山のベースレイヤー、どれが正解? メリノウールの魅力と選び方
Contents
登山のベースレイヤー、どれが正解?
メリノウールの魅力と選び方

朝晩の冷え込みが少しずつ増してくるこの時期。
「そろそろ冬用のインナーに変えようかな?」という方も多いのではないでしょうか。
登山ウェアの中でも、快適さを大きく左右するのがベースレイヤー(肌着)。
汗冷えを防ぐことができるかどうかで、寒い時期の山の楽しさが変わります。
今回は、多くの登山者に支持されるメリノウール素材を中心に、
化繊との違いや選び方のポイントをわかりやすく解説します。
ベースレイヤー選びの基本
登山中は運動量の変化が大きく、
「登る→汗をかく → 休憩で冷える」
を繰り返します。
そのとき体温を一定に保つのがベースレイヤーの役割。
素材によって「保温性」「吸湿性」「速乾性」のバランスが異なり、ここを理解して選ぶことで快適さが格段に上がります。

メリノウールと化繊、それぞれの特徴
| 特徴 | メリノウール | 化学繊維(ポリエステル等) |
|---|---|---|
| 吸湿性 | 高い。湿気を吸って発熱する | 低め。汗は拡散して乾かす |
| 速乾性 | やや遅い | 早い |
| 保温性 | 高く、濡れても暖かい | 濡れると冷えやすい |
| 臭いにくさ | 抗菌性がありにおいにくい | 臭いやすい |
| 肌触り | 柔らかくチクチクしない | サラッとして軽い |
| メンテナンス | 洗濯に注意が必要 | 扱いやすい |
どちらが「優れている」ではなく、行動スタイルや気温に合わせて使い分けるのが理想です。
メリノウールとは?

ウールの中でも、ニュージーランドやオーストラリア原産のメリノ種の羊から採れる高品質なウールを指します。
一般的なウールよりも繊維が非常に細く、柔らかいため、肌に直接触れてもチクチクしにくいのが特徴です。
この「繊維の細さ」が快適さを生む最大の理由です。
ウール繊維の細さとランク(μm = マイクロメートル)
ウールは繊維の太さでランク分けされます。
| 種類 | 繊維径 | 肌触り |
|---|---|---|
| メリノウール(一般) | 約19〜21μm | 柔らかい |
| エクストラファインメリノ | 約18.5μm以下 | 非常に滑らか |
| スーパーファインメリノ | 約17.5μm以下 | 高級肌着レベル |
| 一般ウール | 約23〜25μm | ややチクチク感あり |
数字が小さいほど、繊維が細くて肌触りが良くなります。
登山用ウェアの多くは「エクストラファイン〜スーパーファインメリノ」を使用しています。
メリノウールの混紡率で変わる性能
最近では、化繊と混ぜたハイブリッドタイプも増えています。
これはお互いの長所を活かすための工夫。
| 混紡率 | 特徴 |
|---|---|
| メリノ100% | 保温・調湿・防臭に優れるが乾きが遅い |
| メリノ+化繊(例:80:20) | 柔らかく保温性も高い、乾きがやや早い |
| メリノ+化繊(例:50:50) | 速乾性を重視、行動量が多い登山向き |
化繊の混率が上がるほど「乾きやすく」なり、ウールが多いほど「温かく・快適」になります。
行動量や季節に合わせて選びましょう。
メリノウールの機能を支える仕組み
優れた保温性と
ウール特有のクリンプ(縮れ)構造が、繊維の間に多くの空気をため込みます。
この「デッドエア」が断熱層となり、体温で温められた空気を逃さずキープ。
細い繊維を持つメリノウールは、このクリンプが非常に多く、保温性に優れています。
また、繊維表面には水をはじく性質(撥水性)があり、汗などの水分がついても、繊維内部で吸収・拡散。
外側はドライに保たれるため、濡れても冷えにくいのが特徴です。
吸湿「汗冷え」しにくい
メリノウールの繊維は、表面が疎水性(汗をはじく)、内側が親水性(汗を吸う)という二重構造。
そのため、汗を吸収しても肌が濡れにくく、蒸れやベタつきを感じにくい構造になっています。
また、繊維が水蒸気(湿気)も吸収・放出できるため、衣服内の温度や湿度を自然に調整。
これにより、寒い環境では暖かく、暑い時期には熱がこもらない「天然のエアコン」機能を発揮します。
一年を通して快適に使える
メリノウールは、寒暖差の激しい環境に適応してきた羊の毛。
寒い時期は暖かく、暑い時期は汗を逃して涼しく、
季節を問わず快適に過ごせる万能素材です。
吸湿時の気化熱効果によって、夏でも熱がこもりにくく、冬は繊維内の空気が断熱材として働きます。
天然の防臭性
メリノウールには、臭いの原因となる細菌の繁殖を防ぐ「抗菌作用」があります。
また、繊維内部にニオイ分子を閉じ込めて外に出さないため、防臭効果が非常に高いのも特長。
数日間の山行でも臭いが気になりにくく、長期の縦走やテント泊でも快適さを保てます。
UVカット機能
紫外線を吸収する天然の性質を持ち、優れたUVプロテクション効果を発揮します。
高地や夏山など、紫外線の強い環境下でも肌を守る心強い素材です。
ウールマーク認証・RWS(Responsible Wool Standard)
高品質なメリノ製品には、以下の認証が付いていることがあります。
どちらも「品質と倫理性」を保証するマークで、製品選びの安心材料になります。
まとめ 冬の山を快適にする「肌に一番近いギア」
メリノウールは「自然が生んだ高機能素材」。
登山で求められる保温性・調湿性・防臭性をすべて備えています。
化繊とのハイブリッドも選択肢に入れながら、
自分の行動スタイルに合ったベースレイヤーを選ぶことで、
寒い季節の山も驚くほど快適に楽しめます。