2025.08.03
登山で気をつけたい「脱水症状」登山中に潜むリスクと対策法
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山で気をつけたい「脱水症状」登山中に潜むリスクと対策法

「脱水症状」に注目
夏山登山でよく聞くトラブルのひとつが「脱水症状」
登山中は大量の汗をかきますが、水分と一緒に失われる塩分(ナトリウムなど)も非常に重要。脱水が進行すると、判断力の低下・ふらつき・転倒・遭難といった重大なリスクにつながります。
脱水症状とは?
脱水症状とは、体から水分と電解質(ナトリウムやカリウムなど)が過剰に失われた状態です。
人は汗・呼吸・尿などで日常的に水分を失っていますが、登山中はその量が一気に増加します。
主な原因:大量発汗・長時間の運動・気温や標高の影響
体重の約2%の水分が失われるとパフォーマンスの低下が始まると言われています。
医学的な定義
脱水は「体液の喪失」によって、体内の水分バランス・電解質バランスが崩れ、体温調節や神経伝達などに支障をきたす状態です。
脱水症状の客観的評価と重症度(※応急的な目安)
登山中に「脱水かもしれない」と感じたとき、身体のサインと症状の組み合わせで、現在の状態を把握することが大切です。
⚠ この表は医師による診断ではありません。
状態が悪化したり、少しでも異常を感じた場合は、無理をせず行動を中止してください。
登山現場での応急的な判断材料として活用できる簡易的な目安です。
| 重症度 | 身体サイン(客観的評価) | 主な症状 | 状態と対応の目安 |
|---|---|---|---|
| 軽度 | ・尿が少ない/濃い色 ・唇や口の中が乾く |
・のどの渇き ・軽い疲労感 |
意識はしっかり。 水と塩分をこまめに補給すれば行動継続可。 |
| 中等度 | ・汗が止まる(暑いのに) ・皮膚をつまんでも戻らない |
・頭痛・倦怠感・めまい ・集中力低下 |
パフォーマンス明らかに低下。 休憩+補水。早めの下山判断も必要。 |
| 重度 | ・排尿が完全に止まる ・皮膚が乾燥、発汗なし |
・意識障害・痙攣・失神 | 命に関わる状態。 行動を中止し、救助要請も視野に。 |
登山で脱水が起きやすいシーン
行動中に夢中で水分補給を忘れている
標高が高い・乾燥した空気で汗がすぐ蒸発し、気づかない
水分だけ飲んで塩分(ナトリウム)を補っていない
寒い日でも長時間の運動で隠れ脱水
レイヤリングのミスで過剰な発汗

脱水症状の予防と対策
基本は「こまめな水分補給」
目安:1時間ごとに200〜300mlの補給が推奨されます
「喉が渇いたと感じる前」に飲むのが鉄則
登山中の水分補給の目安
体重(kg) × 行動時間(h) × 5ml = 最低限の水分必要量
水だけでなく「塩分(電解質)」もセットで補給
水だけの補給では「低ナトリウム血症」のリスクも
塩タブレット・経口補水液・スポーツドリンクを併用
登山中の脱水症状への対処法
頭痛やふらつきがあればすぐ休憩
日陰や風通しの良い場所へ移動
経口補水液や塩分入りのドリンクをゆっくり摂取
症状が軽快しない場合は行動を中止し、下山や救助要請も検討
経口補水液と便利なアイテム
経口補水液とは?
経口補水液は、水分と電解質(ナトリウム・カリウムなど)、そして糖分を特定のバランスで配合した飲料です。
このバランスにより、腸での吸収効率が高く、脱水症状の改善に最も適しているとされています。
特に登山中の中等度の脱水症状(頭痛・ふらつき・倦怠感など)には、水だけでなくこの経口補水液が有効とされています。
経口補水液の注意点と使い分け
経口補水液は「スポーツドリンクとは異なります」。糖分や塩分濃度が異なり、目的も異なるため注意が必要です。
日常的な水分補給には不向き。 ナトリウム濃度が高く、健康時に大量に飲むと塩分過多になるおそれがあります。
高血圧・腎疾患など持病がある方は、事前に医師に確認を。
メダリスト「塩ジェル」
1袋で経口補水液250mL相当のミネラルと糖を補給することができます。
ナトリウム・カリウムなどの電解質がしっかり摂れる
胃にやさしく、登山中にそのまま摂取可能
携帯性にも優れ、登山での脱水・熱中症対策として実用的です

浄水器
浄水器があれば、持ち歩く水の量を最小限に抑えつつ、安心して水を補給することができます。
登山だけでなく、防災用品としても備えて安心です。

脱水は静かに進行するから危険
脱水症状は、目に見えない形でじわじわ進行することが最大のリスクです。
万が一に備えて、経口補水液や塩分補給サプリをファーストエイドキットに常備しておくと安心です。
まとめ 脱水症状で覚えておきたい3つのこと
1. 「1時間ごとに250ml」を目安に必ず飲む
登山中は、目安として1時間ごとに200〜300ml程度の水分補給が推奨。
2. 水と一緒に「塩分(ナトリウム)」を必ず摂る
発汗により塩分も失われます。水だけでは逆に危険(低ナトリウム血症のリスク)。
必ず、塩タブレット・塩飴・塩ジェルなどを水と一緒に摂るようにしてください。
3. 体調不良を感じたら「経口補水液」で対応する
頭痛・ふらつき・倦怠感などが出たら脱水の可能性大。
水より吸収効率の高い経口補水液(OS-1やメダリスト塩ジェルなど)を活用し、無理をせず休憩を。