2026.06.27
【Vol.2】山スマホが壊れたら。「COROS」GPSウォッチの活用
登山でスマートフォンを使うのは、今や当たり前。地図アプリ、天気の確認、写真撮影、連絡手段。ほとんどの人が「スマホ前提」で山へ入っています。でもフィールドでは、手から滑り落ちたり、岩にぶつかったりしての破損、急な雨や沢での浸水・水没、低温によるバッテリー故障といったトラブルはあとを絶ちません。
登山者・ハイカー・トレイルランナーにとって最も怖いことは、
「スマホが使えなくなった瞬間、現在地もルートも見失い、何もできなくなること」
ではないでしょうか。
モバイルバッテリーを持っていても、データ通信をオフにしてバッテリーを節約していても、本体そのものが壊れたら意味がありません。
前回の記事では、山行でのスマホ破損がきっかけで芽生えた危機感について書いてみましたが、今回は、安全に山を下りることを目的としたGPSウォッチの活用方法をご紹介します。もしものときに備えておくことで、実際にスマホが使えなくなった時でも落ち着いて行動ができるはずです。
迷った時の「スタートに戻る」機能

登山、ハイキング、トレイルランニングなどを楽しむうえで、COROS、GARMIN、SUUNTOに代表されるGPSウォッチを使用している方も多いのではないでしょうか。最近のモデルには、アクティビティログだけでなく、さまざまな機能が備わっています。
ログを取るだけになってしまっている方も多いかもしれませんが、せっかくならしっかり使いこなしたいところ。それが自らの安全につながるかもしれないとなればなおさらです。
今回は、COROS(カロス)のGPSウォッチを例に、もしもの時の命綱になりうる「スタートに戻る」機能について紹介します。
この機能は、自分が歩いてきた道を辿って、ログ開始地点まで戻ることができるというものです。マップなどを時計に取り込んでいなくても、アクティビティを開始してさえいれば使えるのがポイントです。ちなみに、同様の機能はGARMINでは「トラックバック」、SUUNTOでは「ブレッドクラム」という名称の機能になります。
◆操作方法
1. 登山口でアクティビティを開始
2. 道迷い・ルートミスに気付く(「おかしいな」と思ったらまず立ち止まることが大切)
3. ワークアウトの記録中に、ウォッチ右下の「バック/ラップ」ボタンを長押し
4. ダイヤルかタッチパネルを操作し「ナビゲーション」を選択
5.「スタートに戻る」を選択
6. 出発地点までの軌跡や方角が表示される
以上の操作後、表示された軌跡を辿り、スタート地点へ戻ることができるはずです。

道迷いのリスクが高い場面で
この機能は特に、視界が悪く現在地を見失いやすい以下の状況で役立ちます。
◆ 樹林帯|景色が似ているので道迷いにつながりやすい
◆ ガス(濃霧)や夜間|視界が真っ白になったり、暗かったりして周囲の状況が不明瞭
◆ 複雑な分岐|踏み跡が交錯しがちでロストしやすい
特に里山では、不明瞭な踏み跡も多く、いつのまにかルートを外れてしまう恐れもあるので、覚えておくともしもの時に安心できる機能の一つです。
2026年6月現在「スタートに戻る」機能は、COROSのGPSウォッチ最新ラインナップに加えて、COROS VERTIX 2SやPACE PROにも搭載されています。
COROS PACE 4(Nylon、Silicon、Aluminum、Jakob Ingebrigtsen Editionいずれも)
COROS APEX 4(42mm、46mm)
COROS NOMAD
大切なことは、アクティビティの最初に「Start」ボタンを押すのを忘れないということ。
ログがないと来た道をたどることもできなくなってしまうので、山歩きでもトレランでも、行動開始時、登山口に立ったときに、スタートボタンを忘れずに押してから、アクティビティを楽しんでください。
ただ、ここでひとつ注意したいポイントは、来た道を辿り直すことがいつも正解とは限らないということです。矛盾するようですが、例えば今回スマホを破損したスラブ状の場所を通過している場合、同じ場所を再度通過することのリスクは認識しておく必要があります。
あるいは、引き返す際の時間帯や天候も考慮に入れておく必要があるでしょう。「スタートに戻る」機能は便利ですが過信せず、引き返すこと自体に危険がある場合は「待つ」「野営する」という判断が必要な場合もあるかもしれません。
次回の記事では、スマホにもGPSにも頼れない場面で、最後の砦となるアナログスキルについてご紹介致します。