STAFFBLOG

スタッフブログ

【Vol.1】山でスマホが壊れたら。あって当たり前、に潜む落とし穴

公式

  • facebook
  • twitter
  • line

スマートフォンは、今や、日常生活のみならず、登山・ハイキング、トレイルランニングなどアウトドアで欠かせない道具となっています。とはいえ、あって当たり前だからこそ、なくなったときのことを考えるのをつい忘れがちではないでしょうか。本格的な夏山のシーズンインを前に、山行中のスマホ使用不能時の対応について考えてみました。

割れたスマートフォン。芽生えた危機感

先日、シューズのテスト使用も兼ねて、山梨県大月市に山歩きに行ってきました。

しかし、道中で、同行者が濡れたスラブ状の場所でバランスを崩して転倒。ヘルメットを着用しており、その場で綺麗に尻もちをついただけだったので、怪我はありませんでしたが、しばらくしてスマホの背面が盛大に割れていることに気づきました。パンツの背面ポケットに収納していたため、尻もちをついた時の衝撃をまともにうけてしまったようでした。割れただけではなく、側面の金属製のカバーも少し曲がってしまう始末。

幸い、電源・電波は入り、外見は変わったものの通常通り使用することはできました。ただ、山行中にもしスマホが使えなくなったらどうするか、ほぼシミュレーションをしていない自分に気づきました。もしそうなった場合、場所や天候、時間帯によってはパニックになってしまうかもしれません。

おなじみのサービスも“スマホ前提”

少し考えただけでも、いかにスマホがアウトドアシーンで必需品か、たくさんの理由が浮かんできます。

フィールドで写真を撮り、SNS上やYAMAPなどのアプリケーション上でコミュニケーションをとる。GPSウォッチもアプリと連動し、事前のルート確認やウォッチ上でのナビゲーション、またはアクティビティのデータを蓄積して次回に活かす、などなど。

それに加えて、今では「登山届」の提出、下山通知、天気予報の確認、そして言うまでもなく、緊急時の連絡手段や位置情報の発信というライフラインとしての役割も果たしています。

また、昨今では遭難時の捜索でもスマホが重要な役割を担い始めています。

例えば昨年、山岳救助における「au Starlink Direct」の導入が話題になりました。Starlinkは米国のSpaceX社が開発した衛星インターネットサービスですが、YAMAPやヤマレコといった登山者・ハイカーにとっておなじみのサービスとの連携が始まっています(2026年6月時点の対応機種は各社サイトで要確認)。

これにより、それまでよりも山中でネットにアクセスしやすくなり、山行中での地図ダウンロードやルート変更、天候確認、同行者の位置情報確認、自らの位置情報を友人や家族に共有する「みまもり機能」の接続頻度向上など、より楽しく安全に山歩きをするための機能の充実につながる可能性があります。

このように、スマホをはじめ、通信機能を備えたデバイスの使用が前提になっているサービスが拡充される一方で、デバイス自体が完全に使用不能になってしまうと、各サービスに頼れなくなってしまう恐れも。

当たり前ですが、スマホはアウトドア以前に日常生活でも必需品。両シーンで境目なく使用する、“持っていて当たり前”のモノだからこそ、万一それが使えなくなったときについて考えることが、つい抜け落ちてしまいがちなのではないでしょうか。

あなたのスマホ、補償範囲内?

この日の帰り道、同行者が調べていたのは保険の適用範囲でした。アクティビティ時の身の回り品の破損は「携行品損害」という形で登山保険などの対象になる場合があるからです。

調べてみると、彼が加入していた保険ではスマホの損害は適用外ということがわかりました。

アウトドア保険や補償サービスを含んだプランには、代表的なものとしてYAMAPやモンベルの山岳保険、ココヘリの補償制度などがあげられます。各サービスは内容の改訂などが逐次行われる場合があるので、ここでは詳細な比較は行いません。ただし現時点では、主要なアウトドア保険ではスマホが補償対象になっているものは見当たりません。

そもそも壊れやすく、紛失しやすいことで保険化しづらいことや、使用期間に個人差があり、経年劣化との区別がつきづらい、また、冒頭の通り、生活必需品でもあるため使用頻度が高く、「補償してもらえるから」といったモラルハザードが起こりかねないことも、基本的に適用外になっている理由ではないかと考えられます。

そのため、iPhoneであればApple社の提供する「AppleCare」、Android端末であればメーカーやキャリアの提供する補償サービス等への加入が事後のサポートを受けやすくするうえで現実的な選択肢になるでしょう。

山でスマホが使えない。そのときどうする?

使用不能にはならなかったものの、一度の尻もちで見事に割れてしまったスマホ。今回のような物理衝撃による破損だけでなく、アクティビティ中にスマホが故障するリスクは、案外すぐそばにあるといえます。同時にそれは、場合によっては命に関わることでもあります。

今回の件でいえば、すぐに考えうる対策としては、スマホケースをより強度の高いものにしたり、収納する場所を変えたりするということですが、電子機器を持ち運ぶ以上、常に故障のリスクは付き纏います。

だからこそ、GPSウォッチの機能や、今となってはスマホが代替している、地図読みのようなアナログなスキルが大切になってくるともいえます。

さらにいえば、デジタルデバイスが使えず、万一山中で危険な状況に陥った場合、凌ぐうえで大切な「野営スキル」も、こうした場面で生きてくるのです。

本格的な夏山シーズンを前に、次回はGPSウォッチの活用について整理したいと思います。

  • facebook
  • twitter
  • line