2022.12.09
ファットアダプテーションの始め方と効果〜運動中の補給、エネルギー切れを改善〜
こんにちは、ホシです。
来年のUTMFの抽選発表がでましたね。
春のトレイルやマラソン大会などに向けての準備も始める時です。
春先のレースに向けて今からできるカラダの準備について書きます。
このページの目次
『FAT ADAPTATION 』ファットアダプテーションとは
「安静時や運動時に脂質をエネルギーとして利用しやすいカラダに調整すること」
人間のエネルギー源として1番使われやすいのは「糖」です。
糖はエネルギーとして利用しやすい分、カラダの中に溜め込める量も少なくマラソンなど長時間の運動ではしっかりと補給を行わないと、エネルギー切れ、低血糖、ハンガーノックなどになってしまいます。
カラダに蓄えられる糖 グリコーゲンの量は多くても2,000kcalほどと言われ、長時間の運動では枯渇してしまします。
脂質は、体脂肪としてカラダにたくさん蓄えられているので、上手く利用できるようになることでエネルギー切れを防ぐことができます。
ファットアダプテーションの効果
脂質をエネルギーとして利用しやすいカラダになるメリットは、
・運動中の補給の頻度を減らせる
・内臓への負担を減らせる
・エネルギー切れを起こしにくくなる
・体重が落ちる
・体脂肪を効率良くエネルギーとして使えるようになる
・脂質を上手く使えるようになることで、リカバリーも早くなる
とさまざまな効果があります。
カラダに蓄えられた脂質を上手く使えることでマラソンでのエネルギー切れを防ぐことや、ウルトラマラソンでの内臓トラブルなどを予防することができます。
また補給を減らしても動ける分、補給食や荷物の軽量化にもつながります。
マラソン、トレラン、ハイキングなどエンデュランススポーツを行う人にとってはメリットが多くあります。
ファットアダプテーションの始め方
ファットアダプテーションの第一歩は、良質な脂質を取ること。
脂質=油 とあまりいいイメージが湧かないかもしれませんが、脂質にも種類があります。
長鎖脂肪酸:脂肪酸繋がりが多く、エネルギーとして利用するには時間がかかる
中鎖脂肪酸:肝臓で分解してすぐにエネルギーとして利用できる、体脂肪として蓄えられにくい
引用:https://www.nisshin-mct.com/contents/page195.html
中鎖脂肪酸=MCT 聞いたことがある人も多いかと思いますが、エネルギーとして利用しやすいMCTを食生活に取り入れることで脂質をエネルギーとして使いやすいカラダになっていきます。
MCTを含む良質な脂質を取ることが大切です。
ファットアダプテーションの効果的な取り組み方
ファスティング
効果的に脂質代謝を高める取り組み方で重要なのが食事サイクルです。
現代人の食生活をイメージすると、
朝ご飯を食べ、10時におやつ、お昼ご飯、15時のおやつ、晩御飯、お酒
と糖質優位の生活です。インスリンの分泌も多い生活習慣。
糖を取るとインスリンが分泌されエネルギーとして利用できるようにする作用もありますが、脂質を溜め込む作用もあります。
また、血糖値の上昇降下は「血糖値スパイク」「インスリンショック」を起こし、眠気やダルさ、集中力の低下を引き起こします。
ご飯を食べた後に眠くなるあれですね。
ファスティング(一定時間食事を取らない)期間をとることで脂質をエネルギーとして利用しやすいカラダの状態を作ります。
10~15時間の糖質を取らない間隔(インスリンが出ない)を空けることがおすすめです。
7時:朝ご飯MCT〜12時:お昼ご飯〜19時:晩御飯 のサイクルで考えると
晩ご飯から翌日のお昼ご飯まで15時間のファスティングを行えます。
3食のうち1食はMCT、他の2食は自由に食事を摂っても大丈夫です。
重要なポイント
・10~15時間のファスティング
・間食をしない
・1日のうち1食をMCT食品に置き換える
・2食はきちんと食べてOK
ファットアダプテーションの注意点
・糖質制限やダイエット(減量)ではない
ファットアダプテーションの目的は、「安静時や運動時に脂質をエネルギーとして利用しやすいカラダに調整すること」です。
マラソンやハイキングなどをより楽しむため、健康的に運動を続けるためにお勧めしています。
脂質が使えるカラダになるため、副産物的に体重が落ちたり、体脂肪率が落ちるといった効果がついてきます。
結果的に、脂質代謝の向上と減量でパフォーマンスがかなり上がる方もいらっしゃいます。
・運動する際は糖質の補給も必要
運動強度により糖質、脂質、使われやすいエネルギー源は変わるため、高強度なトレーニングや運動を行う場合は、しっかりと糖質を摂る必要もあります。
・継続が大事
しっかりと取り組むと1ヶ月ほどで効果が感じられてきますが、ファットアダプテーションは長く続けるほど効果が高くなります。
ロングレースやウルトラマラソンなどパフォーマンスアップに向けて取り組むならば、走るトレーニングと同様に時間をかけて取り組む必要があります。
・MCTの摂り過ぎに注意
1回の摂取量が多いと人によってお腹を下すこともあります。はじめは1回6gあたりを目安の摂取がおすすめです。
慣れてきたら量を増やしていきましょう。
ファットアダプテーション食品
主成分はMCT(中鎖脂肪酸)で、長時間の運動に必要なミネラルなどの要素と、枯渇してしまうアミノ酸などをバランス良く配合しています。MCTは肝臓を使ってエネルギーとなるため、肝臓のサポートをするタウリンやLカルニチンといったアミノ酸が入っているのが特徴です。
粉末タイプなのでコーヒーやドリンクなどに溶かして朝ご飯代わりにMCTを手軽に摂取することができます。
スプーン1杯約10gで約6gのMCTをとれます。
MCTを含有したスティックタイプのゼリー。そのまま食べれるので、持ち運び楽でや時間のない時でもサクッとMCTを摂取することができます。1本15gあたり脂質6.2gが摂取できます。
おまけ ウルトラランナー Zach Bitterザック・ビター
運動時の糖質と脂質のエネルギー代謝は、運動強度やトレーニングによって変わります。心拍数が高くなるほど糖質も優位になっていきます。ファットアダプテーションや脂質代謝高めるトレーニングによって、高い運動強度でも脂質を優位に使って運動することができるようになります。
アメリカのザック・ビターという選手は、VO2MAXに近い運動強度でも脂質を主なエネルギー源として走ることができます。
100キロ、100マイル走る上で脂質代謝が高いことはめちゃくちゃ有利です。