2023.10.04
上州武尊スカイビュートレイルを完走するための装備は?
こんにちは!スタッフ安田です。先日9/23~9/24に群馬県川場村で開催された「上州武尊スカイビュートレイル」に参戦してきました。
これから長い距離やアップダウンの激しいレースに参戦したい方。さらに天候条件があまり良くない場合の装備について知りたい方は是非参考にしてみてください。
上州武尊スカイビュートレイルとは?
上州武尊スカイビュートレイルは群馬県の北部に位置する川場村を起点に、急峻な「上州武尊山(じょうしゅうほたかさん)」をはじめ、宝台樹スキー場、尾瀬岩鞍スキー場などゲレンデや雨乞山などの里山をつないでぐるりと回るラウンドコースのトレイルレースです。
コースの特徴はなんといっても累積標高!武尊山に加えて合わせて4つ(80kmの部は1つ)のスキー場ゲレンデのアップダウンがコースの中に含まれています。その累積標高差は、
- 128㎞:約8280m
- 80㎞:訳4640m
里山区間にもトラロープが設置されている箇所がいくつも現れ、最後の最後まで気の抜けないコース設定!日本屈指の累積標高を誇るトレイルレースです。
今回の天候・事前の予報
事前の予報では午前2時から6時にかけて雨の予報で、川場村で20度前後の気温という予報でした。止んだ後も曇り予報で気温が大きく上がる気配はなさそうでした。なので「雨で濡れることも考えると体は冷えやすいだろうな」というのが予報を見た時の印象です。
また、スタートから一気に標高を上げてピークの「剣ヶ峰」まで行くので山頂付近の風の強さは気になるところです。
実際当日になってみると予報通りの雨。ただ、想像していたよりも雨脚が強かったため走り始める直前まで体を冷やさないようにレインジャケットを羽織っておきました。
使用したウェア
雨で濡れることと、曇り予報で気温が上昇することはないと考えて上に着るものは「濡れていても不快感の少ないウェアリング」を意識して選びました。下に着るものはレース中の補給を楽にできることを意識して「ポケットの容量が大きいショーツ」を選択しました。
シャツ : アクシオライトTee(Teton Bros.) ¥9,900
TetonBros.のアクシオライトシリーズは今年の大事なレースやアルプストレーニングで必ず着ているくらいお気に入りです。尾州ウールとポリエステルのハイブリッド生地のおかげで、ウール100%のシャツよりも乾きやすく、ポリ100%のウエアより濡れた時の生地の冷えが断然少ないのが特徴です。
ショーツ: ジェイソンシュラーブショーツ(Ultimate Direction) ¥12,650
アクシオライトTeeと合わせて今シーズン大事なところでいつも使っているショーツです。ウエストにぐるりとポケットが2層で配置されていて、表の層は仕切りのないチューブポケット、裏の層は仕切られたメッシュポケットになっています。
今回は顆粒のアミノ酸やミネラル系のもの、水分補給用のシリコン製カップをチューブポケットに仕込んでおきました。
また補給した後のジェルのごみなどもこのチューブポケットに収納。ドラえもんの四次元ポケットのようにボンボン詰め込めるので、重宝しています。
ソックス : EXTRA Protection Treil Running(DRYMAX)¥5,390
濡れることがあらかじめわかっているならこのソックス、というくらい信頼しているのがドライマックスの「EXTRA Protection」シリーズです。ほかのメーカーのソックスと比べてマメや靴擦れの発症が本当に少なくなるので、長距離レースの時の強い味方です。100㎞を越えるレースではソックスと合わせて擦れ防止クリームを塗って走るようにしています。
使用したギア
今回のコースは急峻ながら土の路面が多いコンディションだったので、しっかりと地面に噛んでくれるシューズをチョイス。
100mileまで距離はないものの、アップダウンの多いハードなコース設定なのでしっかりと補給食を詰められるバックパック、走っていて胸への圧迫が少ないボトルなど、「レース中に小さなストレスが少ない」道具を選ぶようにしました。
シューズ:LONE PEAK7(ALTRA)¥22,000
しっかりと地面を噛んでくれるだけの高さのあるラグ、厚すぎず薄すぎないクッションと接地感のバランスの良いクッション性からローンピークをチョイス。
武尊山周辺の急で岩や木の根が多い下りでも足さばきが良く、里山区間の少しぬかるんだ地面でも、ラグがしっかりと地面をとらえてくれたおかげでぐんぐんと登っていくことができました。上州武尊スカイビュートレイルのコースのようにロード区間の少ないコースには相性がいいシューズでした。
バックパック:RUSH UT3(パーゴワークス)¥27,500
現在販売されている「RUSH11」のプロトタイプザックです。RUSH11と同じくポケットの容量が豊富且つ大きめなので、100㎞を越えるようなレースでも安心して補給食を携帯できます。
ショルダーベルトがベルクロを剥がして伸縮させることで長さ調整できるので、ベストなフィット感を見つけやすいのも良いポイントです。
ボトル:ウルトラフラスク550ml(ウルトラスパイア)¥2,530
ボトルのボディが湾曲していて上から見ると三日月形になっています。それのおかげでベストのフロントポケットに入れても胸への圧迫感がほとんどなく、長距離を走ったあとも胸に痛みがほとんどありません。
ソフトフラスクよりも固い素材でできているため自立してくれるので、エイドステーションでドリンクを継ぎ足す時もストレスなく補給ができます。ここ1年トレイルを走ときは基本このボトルを携帯しています。
ライト:ルーメン850DUO(ウルトラスパイア)¥21,450
エクスプロア3(SILVA)
メインで使用したのはウルトラスパイアの出している「ルーメン850DUO」。ウエストライトとして販売されいますが、「DUO」の名を冠している通りヘッドライト用アタッチメントとバンドが付属しているためヘッドライトとして使用することができます。
光が横方向に拡散して周囲を明るく照らしてくれる印象で、コースマーキングを探す際、足場が悪くどこに足を置くか探すときなどにストレスが少ないです。
特に今回のコースで里山区間に入ったときに、この横方向に拡散してくれる光のおかげでストレスなく足を置いて走ることができました。レッドレンザーのように遠くを見通すような力は弱いものの、今回のようなアップダウンが多くスピードがあまり上がらないコースとは非常に相性が良かったです。
ポール:トレイルブレイズ110㎝(Mountain King)¥20,350
アルミ製のトレイルランニングポールの中では最軽量クラスのポールです。軽さはもちろんアルミという金属の柔軟性のおかげで多少ラフに扱っても破損しないところがメリットです。
余談ですが、今回は預け荷物の中に入れて、オグナほたかスキー場の後から使いました。当初体力があるうちに少しでも荷物を軽くして走ろうと思っていましたが、スタートから持っておいてゲレンデの上り下りで積極的に使って脚の疲労を抑えればよかったと後悔しました。
GPSウォッチ:エイペックス2プロ(COROS)¥68,200
心拍センサー:TICKR FIT(Wahoo)¥10,890
心拍を見ることでペースコントロールをするためにこの2つを使用。TICKR FITは腕に装着するタイプの心拍センサーのため、胸に装着するタイプのような息苦しさがなく、腕時計の心拍センサーより精度が高いため、自分の心拍の上がり下がりをモニタリングするのに重宝しています。
加えてAPEX2Proはバッテリー駆動時間が最大75時間もってくれるので、100mileクラスのレースでもバッテリー充電を気にせず使えます。
今回も時計の充電は考えなかったので、おかげで予備バッテリーの容量を小さく・軽くすることができました。
おわりに
今回は上州武尊スカイビュートレイル128kmを走った際の装備についてご紹介しました。
100㎞を越えるようなレースでは共通して言えることだと思うのですが、「如何にしてストレスの少ない状態で走れるか?」が重要なキーワードになるかと思います。
熱い寒いの体感は個人差があったり、体格の違いでフィットするザックの種類も異なります。大事なことは普段走っている時から身に着けているモノと身体の相性を探ることです。そうしていると「~なところが良い」「もっと~なら良いのに」と自分が欲しい機能が具体的になってきます。そうするとお店にお買い物に来た時にほしい道具が見つけやすくなります。
今回の記事を参考にぜひ自分に合った道具を探してみてください!