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いざアルプスへ 夏山の長袖ベースレイヤーの選び方とオススメ4選

東京本店

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どーも店長です✨

東京はこれから梅雨入り・・雨が続くとちょっと気持ちは落ち着いてしまいますが、今、まさに、夏山の準備をするには最適なシーズンなんです。と、いうのも梅雨が明ければもう夏本番。さぁアルプスに行こう!なんて時に、そこから準備をしていては、いい時期を1週間も2週間も遅れてシーズンインすることになってしまいます。せっかく誘ってもらったのに道具がなくて遊びに行けない・・ということがないようにしっかり準備していきましょう。

そして今回は、アルプス登山で最も重要なベースレイヤーのお話です。この記事を読むことによってベースレイヤーの重要性や、しっかり選ぶことによる快適性、それぞれの違い、選び方などを知ることができます。この記事の中に欲しいものがなかったとしても、選ぶ基準がわかりますので、ぜひご一読ください。

アルプス登山 ウェアの基本と考え方

さて、ウェアの基本・・なんて偉そうなことを見出しに書いてしまいましたが、よく雑誌などではアンダーウェアを着て、ベースレイヤーを着て、ミッドレイヤーを着て、アウターを着ましょう・・・という形で真夏にも関わらず、一概にたくさん着ることを推奨されている記事もあります。
「ベースレイヤーは絶対に長袖じゃなければならない」なんてことも言われていた時代があったかと思います。個人的な経験でいうと、長袖よりも半袖の方が快適なこともあれば、長袖着ておいてよかった・・という時もあります。

登る山の標高や気温、季節、風の強さ、天候の変化の予測、運動強度、もちろん体質や体調などによって一概に論じることはできませんが、1つ言えるのは本人が快適で事故がないウェアを選択できるのであれば何も問題ないと思います。たかだかTシャツでしょ?という方、あなどることなかれ。登山ウェアで最も大切なのがベースレイヤーです。私はベースレイヤーの失敗で本当に寒い思いをしたこともあります。快適さが全く異なりますので、しっかりとチェックしてみてください。

半袖か長袖か 選ぶポイントをチェック

セオリー通りではないかもしれませんし、教科書通りではないかもしれません。しかしながら色々考えると選ぶポイントは、ズバリ運動強度にあると思います。運動強度が高い人(アルプスでも走っちゃうような人や歩くスピードが速い人)は、さすがに長袖だとオーバーヒートしてしまいます。標高が高ければ地上よりも10℃以上気温は下がります。

一般的に標高が100m上がると気温は0.6℃下がると言われていますので、3000mの山に0m地点から登ると18℃下がることになります。また、風速が1m強くなると体感温度は1℃下がると言われています。基本的に標高が高い場所の方が遮る物も少なく風が強いことが多いため、風の影響も考慮したウェアリングが重要になります。なので、標高や気候の変化に対応しようと思うと、基本的には長袖がオススメになります。しかしながら、運動強度が高い人の場合、長袖だとどうしても暑くてものすごく発汗してしまう場合があります。そんな方は無理して長袖を選ばずに半袖やノースリーブで問題ないと思います。ただし、急な天候の変更に備えて、バックアップが取れるように上着はしっかり準備していただけたらと思います。

それではメリットとデメリットについてチェックしておきましょう。

長袖のメリット

・紫外線から肌を守る、日焼けしにくいので疲れにくい
・虫刺されの確率が下がる
・草木から肌を守る
・上着を着たときに快適
・急な天候の変化への対応がしやすい

長袖のデメリット

・登り始めの気温が高いとすぐに汗をかいてしまう
・運動強度が高い人が着用するとオーバーヒートする

半袖のメリット

・涼しい
・運動強度が高い(走る人など)人は快適

半袖のデメリット

・虫に刺されやすい
・日焼けする
・レインなどを直接上に着ると張り付いて不快
・枝などに引っ掛けるとケガをする場合がある
・急な天候の変化に対応しにくい

 

いかがでしょうか。大多数の方はそこまで高い運動強度で山歩きする方はいないと思います。なので、基本的には標高が高いアルプスエリアでの登山は、長袖のベースレイヤーを選ぶのがオススメです。動き出しの標高が低くて暑い場合などは、袖をまくったり、場合によっては半袖にアームスリーブというスタイルもいいと思います。

 

ベースレイヤーの種類

何も知識がなくTシャツを見ればどれも同じに見えますよね。しかしながら山におけるベースレイヤーはもはや保安器具レベルです。自分の身を守るか守れないかを分ける道具なので、まずは大切な素材をチェックしていきましょう。

化学繊維(ポリエステル、レーヨンなど)

ポリエステルに代表される化学繊維は、汗を素早く体表面から吸い上げ、すばやく乾かしてくれる速乾性が非常に優れています。また、軽量で通気性が高く、価格もお手頃なため、選ぶ方も多いでしょう。しかしながらポリエステルにも多くの種類があり、商品によっては汗冷えしやすく、雑菌が繁殖しやすく臭いやすいものもあります。一目で見分けるのが難しいため、初心者が化学繊維で快適なベースレイヤーを選ぶのは少し難しいかもしれません。

天然繊維(メリノウールなど)

メリノウールやコットン(綿)に代表される天然繊維ですが、登山用のベースレイヤーで考えればほぼメリノウールのみを考えれば間違いないでしょう。コットンはおしゃれなウェアには採用されることが多いですが、基本的に乾きにくく重くなってしまうためここでは割愛させていただきます。メリノウールの特徴は、繊維が細く多くのエアポケットが生まれるため、オーバーヒートしにくく保温性が高いことが特徴です。また、抗菌性も高いため化学繊維に比べると長時間汗をかいて着用した場合でも臭いにくいです。通常のポリエステルと比べると明らかに臭いにくいため、登山者がメリノウールを選ぶ大きな理由にもなっていることでしょう。化学繊維と比べると乾きにくいですが、大量の汗をかかなけれ乾きにくさについて不満はそれほど出ないと思いますので快適です。しかしながら100%のメリノウールは、価格が高いため初心者には手が出しにくいかもしれません。また、100%ウールのTシャツは種類も少ないですし、夏山ですと乾くスピードが発汗スピードに負けてしまうため、今回は素材の紹介のみとさせていただきます。

化学繊維×天然繊維(ポリエステル×ウールなど)

化学繊維と天然繊維で作られるハイブリッド繊維は、基本的にはメリノウールのいいところを最大限活かしながら、乾きやすさなどのメリットをプラスしています。まさに『いいとこどり』の素材がこのハイブリッドモデルになります。ただし、このハイブリッド繊維については、繊維の組み合わせ方や、織り方などによっても、強度や伸縮性、着心地、汗ぬけなど、かなり幅広くできてしまうため、自分にあったハイブリッド繊維であるかどうかを知るにはそれなりの知識が必要だと思います。価格的にもメリノ100%の生地と比べればお求めやすいものもあります。

 

 

読んでわかると思いますが、知識がなければベースレイヤーを選ぶのは実は難しいんです。たかがTシャツ。されどTシャツなんです。
この素材について掘り下げながら、STRIDE LABが厳選するベースレイヤーの生地をご紹介していきたいと思います。
なお、夏山のアルプスを想定しているため、基本的には薄手のモデルをベースにご紹介していきます。

 

おすすめのベースレイヤー

Axio Lite L/S (Teton Bros.)¥13,200(税込)

日本が世界に誇る進化し続けるアウトドアブランド『ティートンブロス』が、MOB(Master Of Bishu)と2019年頃から特別にウール製品のラインナップを位置づけたこだわりの1着。ウール加工のメッカと呼ばれ、世界でもウールの加工地区として知られる愛知県の尾州(Bishu)地区で、繊維のデザイン、加工、染色、製品化までを一括で開発しています。素早いフィードバックと良好な人間関係が、モノづくりには不可欠です。

そんなMOBシリーズの中で最も人気が高く、選ばれているのがAxio(アクシオ)と呼ばれる生地です。ウールの繊維の中にポリエステルを螺旋状に織り込むことにより、シルクのような肌触りでありながら、驚愕の水分の吸収拡散性を持ち、保温性や臭いにくさなどのウールの特徴を併せ持ちます。生地も薄いので、体温の調節にも優れています。

汎用性が高いため、どんな方にも快適に使用でしますが、比較的、普通くらいのスピードで歩かれる方におすすめです。雪山のモデルのお兄さんが着用しているのがこちらのAxio L/Sです。

ウール:53%  ポリエステル:47%

箇条書きにすると以下のような特徴があります。光沢もありシルエットも綺麗です。

1、滑らかで抜群の着心地

2、洗濯にも強い

3、驚愕の吸水性

4、濡れてもドライ感が強い

5、ウールの機能性も保持(防臭・抗菌・温度調節)

Teton Bros.にとっても特別な1着だから、このTシャツには手提げが付属します。タイベック生地で作られているので、雨などにも強く軽量でちょっとした時に使えるのが嬉しいですよ。

 

Teton Bros Axio L/S Mens のサイズを選ぶ

Teton Bros Axio Lite Hoody Mens のサイズを選ぶ

Teton Bros Axio L/S Womens のサイズを選ぶ

 

半袖についてはこちら

アクシオの生地を使ったソックスはこちら

 

All Elevation long Sleeve(STATIC)¥12,100(税込)

地球環境を考え抜いたアウトドアブランド『STATIC(スタティック)』が提案する、All Elevationシリーズは、読んで字のごとく『全ての標高』で快適に使用できるようにデザインされています。その大きな特徴はこの凹凸の生地。

凹凸の生地の凹部は生地が薄く、アクティブな行動時でも生地と肌の間に空気の通り道を作ってオーバーヒートを防ぎ、凸の部分は生地が厚く、停滞した時にも高い保温性を発揮します。この双方向のアプローチと軽量性を実現するため、メリノウールにポリプロピレンを混紡しています。ポリプロピレンは化学繊維の中でも最軽量と言われるほど軽く、それでいて強度と乾きやすさ、そして熱伝導率の低さから保温性にも優れています。

生地はメリノウール60%、ポリプロピレン40%

ただし、ポリプロピレンもウールも熱には弱いので、乾燥機やドライクリーニングはしないでくださいね。

凹凸の生地は肌触りもとてもいいので、普段着としてもとっても着心地がいいので1年中着られるウェアです。
補足:STATICが手がけるウェアは基本的には環境に配慮したものを選んではいますが、現時点で石油由来の原料でしかポリプロピレンの素材がないそうです。今後、植物由来のポリプロピレンの開発が進み(現在開発中)利用が可能になれば生地を変更する旨、リリースされています。こだわりが嬉しいですね。

こちらも汎用性が高いため、どんな方でも快適にご利用になれますが、強いて言うなら止まった時の保温性にも優れていることから、休憩を挟んだり、止まってご飯を食べながら山歩きを楽しみたいという、比較的マイペースに歩く方におすすめです。
※モデルさんは180cmで細身です、Mサイズを着用しています。

 

All Elevation Long Sleeve Mensのサイズを選ぶ

※Womensは半袖のみの展開です

 

Vapor L/S (Teton Bros.)¥8,580(税込)

Teton Bros.のヴェイパー ロングスリーブはポリエステル100%クイックドライのベースレイヤーです。吸汗速乾性に優れ、ポリエステル100%とは思えないほど優しい肌触りを実現しました。摩擦を抑えてたフラットシーム加工、気の利いたサムホールは冷えやすい手首まで保温してくれます。

ティートンブロスのベースレイヤーの中でも定番品として定着したVapor L/Sは男女それぞれのモデルがあります。

もう、上の説明の通りなんですが、本当に肌触りがいいのと、乾きがいいのが素晴らしい。
Teton Bros.自体はあまり安売りされることがないので、一般的には『高い』と思われるかもしれませんが、1度着てみればその機能性や着心地、カッティングの気の利き方などで納得できると思います。中でもこのVapor L/Sは税抜きであれば8,000円を切るほど、コスパ的にもGOODです。ウールに比べれば価格が安価なポリエステルですが、ポリエステルの中でも臭いにくい方に分類されます。基本的にTeton Bros.が扱うポリエステルは臭いにくいですのでオススメですよ。

トップ画像のモデルのお姉さんが着用しているのが、こちらのVapor L/S です。アクテビティを選ばない万能のベースレイヤーですよ。

 

Vapor L/S Mensのサイズを選ぶ

Vapor L/S Womensのサイズを選ぶ

 

PPP L/S (Teton Bros.)¥8,580+tax

またまたTeton Bros.の長袖です。ポリエステル100%です。PPP(Pole Pedal Paddle)ロングスリーブは、1平方メートルあたり90gというかなり軽量のメッシュ生地に、Dry Action(超撥水)加工が施されています。生地の特徴としてはほとんど保水しないため、アグレッシブな運動で多くの汗をかいた場合でも水分で生地が重くなることがほとんどありません。圧力がかかると浸透しますが、乾きの速さはダントツです。雨の日なんかも超撥水加工がされているので、水分を肌から遠ざけてくれるので高い保温性を実感しました。また、標高が上がったり風が吹くようなシチュエーションでも、ウィンドシェルなどの上着と組み合わせると保水しにくいぶん、汗冷えしにくさを実感できます。

化学繊維=汗冷えしやすい

というイメージを変えてくれる1着と言えるでしょう。こちらもVapor L/Sと同じくロングセラーの定番品です。

PPP L/S Mensのサイズを選ぶ

※Womensは半袖のみの展開です

こちらは比較的早歩きな、運動強度が高い方におすすめです。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。ベースレイヤーの素材は主に3種類あり、夏場は乾くスピードも重要なことから、100%化学繊維、またはウールと化学繊維のハイブリッド繊維がおすすめです。

どのベースレイヤも基本的にお勧めですが、運動強度や行く場所によって保温性重視のモデルだったり乾き重視のモデルを選ぶなど、自分に合ったものを検討してみてください。今まではただのTシャツだったものが、知識と意識することで、さまざまな環境から身を守ってくれる保安器具としてのベースレイヤーになります。とても重要な内容なのでしっかりと準備しましょう。

ではまた。

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