2025.03.19
【実践100kmウォーク】ALTRA TORIN 8 GTX:雨の日のランニング・ウォーキング・通勤通学を変える防水シューズ
神奈川100kmウォーク「湯渡し100」が2025年3月15-16日に開催され、あいにくの雨となりました。私はこの過酷な環境下でアルトラの新作防水シューズ「トーリン8 GTX」を履いてスイーパーとして参加。最後尾を歩き、コンビニ確認を含めると約120kmという距離を踏破しました。実は大会の3日前という微妙なタイミングでの発売開始だったため、「週末の湯渡し100で是非!」とはおすすめできませんでした。慣れないシューズで長距離を歩けば、予期せぬダメージを受ける可能性があるからです。そんな中、私が「実験台」となって挑んだリアルな体験をお伝えします。
「ゴアテックス=ゴツゴツトレッキングシューズ」という固定観念を覆す一足
多くの人が「ゴアテックス」と聞くと、ゴツゴツとした頑丈なトレッキングシューズを思い浮かべるでしょう。私もその一人でした。しかしトーリン8 GTXは、そのイメージを完全に払拭してくれます。
仕様
- 重量:319 g(Mens US10.5 / 28.5cm)
- ミッドソール:GORE-TEX Invisible Fit &ジャガードメッシュ
- アウトソール:Rubber
- スタックハイト:30mm
- アッパー:ジャカードメッシュ
アップデートされた「TORIN 8」をベースに、アッパーにはGORE-TEX™ Invisible Fitを採用。アッパーに直接メンブレンを接着することで、防水シューズ特有の重さ、ゴツゴツ感があまりなく、履き慣れたランニングシューズのように軽さと快適な履き心地です。防風性もありますので今回の湯渡し100のような風が強く、寒い日にも良いと思います!
通常のゴアテックスはアッパー素材が層になってますが、このシューズは一枚で構成されているため、通常のGORE-TEXフットウェアよりも高い透湿性と速乾性を備えており、長時間のランニングでも快適さが続きます。
雨予報の100kmウォーク
「雨の日100km歩くなら靴選びは特に重要です。」ですが「慣らしなしのシューズでスイーパーが務まるの?冒険しすぎでは?」と心配もありました。一般的には新しい靴で長距離を歩くのは避けるべきですが、トーリンシリーズは以前から愛用していたので、GTXバージョンも同じフィット感である確信がありました。(むしろ踵部分がよりフィットする)
実際、履いてみると普通のランニングシューズと変わらない軽快さで、ゴアテックスなのにゴツゴツ感は一切ありませんでした。
GORE-TEX Invisible Fitテクノロジーのおかげで、防水機能を備えながらも従来のトーリンシリーズの快適な履き心地と軽さを損なっていません。アルトラならではのフットシェイプにより、つま先が自然に広がり、120kmという超長距離でも指が窮屈に感じることがありませんでした。
「完全防水」ではない正直な評価:ローカットシューズの限界とその対策
大会3日前に発売されたトーリン8 GTXを、誰よりも早く実践投入することになった私。その実力と限界を正直にお伝えします。
【体験談】 スタート1時間後に雨が降り始め、次第に本格的な雨に。ここで重要な注意点があります。トーリン8 GTXはゴアテックス搭載の防水シューズですが、ローカットシューズであるという物理的な制約があります。つまり、激しい雨や深い水たまりでは、靴の上部(足首周り)から水が入り込む可能性があるのです。
実際、80km地点を過ぎた頃からの雨では、足首から水が侵入。いくら高性能な防水素材でも、ローカットシューズである以上この問題は避けられません。しかし、ここで私の「秘密兵器」が活躍しました—防水ソックス。トーリン8 GTXと防水ソックスの組み合わせは、この弱点を見事にカバー。足首から水が侵入しても、ソックスが第二の防衛線となり、足は驚くほど濡れない状態を維持できました。
【体験談】 大きな水たまりでは、あえてその中を歩いてみるテストも実施。予想通り、水がシューズの上部から侵入しましたが、防水ソックスのおかげで足自体は濡れませんでした。ゴアテックスシューズだけでは完全防水は期待できませんが、防水ソックスとの組み合わせは、まさに雨天ウォーキングの今のところでの「最強装備」と言えます。
雨の強さによって防水性能は変化します。小雨程度なら靴だけでも十分ですが、中〜大雨では防水ソックスとの併用が必須。この正直な限界を理解した上で使用すれば、トーリン8 GTXはその真価を発揮します。
日常使いでの防水性能:現実的な期待値
120kmという極限の環境で実証された性能と限界は、日常使いでも同様です。
【体験談】 湯渡し100kmが終わり、雨の日の普段用シューズとしてトーリン8 GTXを使用しました。通勤程度の雨量と距離であれば、防水ソックスなしでも十分に機能。しかし、大雨の日には防水ソックスも併用するようにしたいですね。短時間の使用なら防水ソックスなしでも問題ありませんが、一日中雨の中にいる予定がある場合は、防水ソックスとの組み合わせが安心です。
特に通勤や日常使いでは、あえて水たまりに入らなければ、靴の中はかなり濡れない状態を維持できます。しかし実際の使用では、意図せず水たまりに足を踏み入れることもあるでしょう。その際、靴の上部からある程度の水の侵入は避けられないことを理解しておくことが重要です。
【体験談】 雨の日のランニングでは、特に注意が必要です。走行中は歩行よりも水はねが多くなるため、防水ソックスとの併用をより強く推奨します。5kmほどの短い距離なら靴だけでも問題ありませんが、長距離のトレーニングでは防水ソックスが快適さを大きく向上させてくれます。
正直評価:「最強の組み合わせ」が鍵
トーリン8 GTXの実力を最大限に引き出すには、正しい使い方と適切な期待値が重要です。
【体験談】 100kmウォークでは、多くの参加者が靴の中に水が入ってびしょ濡れになる中、私のトーリン8 GTX+防水ソックスの組み合わせは驚くべき効果を発揮しました。この「今のところの最強の組み合わせ」は、長時間の雨天活動において真価を発揮します。トーリン8 GTXだけでも十分優れた防水シューズですが、その物理的限界(ローカットであること)を理解し、防水ソックスで補完することで、真に「最強の雨天対策」となるのです。
アルトラのフットシェイプのおかげで、防水ソックスを履いても窮屈感がなく、長距離でも快適に過ごせました。この組み合わせは、軽量感とクッション性を備えたランニングシューズの快適さと、トレッキングシューズ級の防水性能を両立させる理想的な選択肢と言えるでしょう。
最終評価:限界を理解した上でのおすすめ
「大会3日前発売の靴でスイーパーとして100kmウォークに挑む」という究極の冒険を経て、トーリン8 GTXは雨天のあらゆるシーンで活躍する信頼性の高いシューズだと確信しました。ただし、その限界も正直にお伝えします。ローカットシューズである以上、長い時間の完全防水は期待できず、特に豪雨や深い水たまりでは防水ソックスとの併用が必須です。
【体験談まとめ】 100kmウォーク当日履きというフレッシュな状態で、スイーパーとして120kmの大雨の中を歩き、その後の通勤やランニングまで、様々な条件でトーリン8 GTXをテスト。「ゴアテックス=ゴツゴツしたトレッキングシューズ」という固定観念を覆す快適さと、「ローカットシューズの限界」という現実的な防水性能の両面を体験しました。
雨の日のランニングを諦めていた方、通勤通学時の雨による足元の濡れに悩んでいた方、そして私のような超長距離ウォークに挑戦する方まで、幅広いユーザーに自信を持っておすすめできる一足です。
ただし、その真価を発揮するには、強い雨や長時間の使用では「防水ソックスとの併用」がカギとなることを忘れないでください。この組み合わせこそが、雨の日の活動を変える「最強の装備」なのです。