2025.04.22
【Mt.FUJI100初挑戦者必読】100マイル完走のコツ・装備・心構え|なんでもっと早くこの記事書かなかったのか…
「Mt.FUJI100まで、あと数日しかない……」
そうなんです。この記事、もっと早く書くべきだったんです。でも、レース直前のこのタイミングだからこそ、あなたの不安や期待に真正面から向き合える気がしています。
私はこれまでMt.FUJI100(旧UTMF)を3回完走しました。今回は、初めて100マイルに挑むあなたに向けて、直前でも読んでよかったと思える“リアル”なアドバイスをお届けします。
ですが、完走した!と言いましても私の場合はほぼ制限時間いっぱいのゴールです。他のランナーとおしゃべりしたり、寝たり、写真や動画を撮ったり。とにかくエントリー費の元を取る!そして楽しみつくす!というコンセプトで走っています。いや、速く走れないだけです!
とにかく、残念ながら今から何をやっても走力は上がりません!心構え、装備をもう一度見直しましょう。コースの攻略なんてもうどうでもよく、もうやるしかないのです。
Mt.FUJI100ってどんなレース?
Mt.FUJI100は、富士山の周囲をほぼぐるりと巡るトレイルランニング大会。距離・累積標高・気象条件、おもてなし、そのすべてが日本最高峰レベルです。
ですが他の100マイルレースと比べると制限時間も長く、累積標高も100マイルレースにしてはそれほど高くないので、「初めての100マイルレース」という意味では参加し易いレースになると思われます。
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距離:約168km
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累積標高:約6,254m
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制限時間:約44時間
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スタート:金曜17時、フィニッシュは日曜の昼~夕方
昼も夜も、眠くても疲れていても、前に進む──
それが100マイルという“旅”です。
心構え|「完璧じゃなくても、完走できる」
レース直前、「走り込みが足りない」「装備が不安」と焦るのは、ある意味当然。どんなに頑張っても「不安」はなくなりません。私も初挑戦のとき、夜間走行もろくにしていませんでした。でも完走できた。
100マイル完走のカギは、「一歩ずつでも、進み続ける意志」です。
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眠気との戦い
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胃腸の不調との付き合い方
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気温差・雨・夜の寒さへの対応
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「もうダメかも…」という心の声との対話
- 抜かれても抜き返さないメンタル
Mt.FUJI100は、フィジカルと同じくらい”メンタルのレース”。
とにかく前に進むこと、不安なことがあったりメンタルがやられそうな時も、とにかく歩いて前に進むことです。
自分との向き合い方が、完走に直結します。
完走のコツ|10の実践ポイント
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最初は飛ばさない。絶対に。
前半に足を使い切ると、後半や少しメンタルが沈む夜に動けなくなります。スタート時は「抑えたら勝ち」。こちらもよく言われることですが、スタート直後の林道は走りやすいし、皆さん元気なので周りのペースに押されてなんとなく速いペースで走ってしまいます。ここをグッと抑えるのも完走のコツです。 -
エイド滞在は“目的を持って短く”
長く座り込むとリスタートが辛くなります。補給したら、歩いてても次のエイドまで進みます。 -
胃腸の変化に“早めに気づく”
食べづらくなる前に、ジェル・固形・スープをローテーション。あたたかい飲み物も◎。とにかく「いつも食べ慣れたもの」を食べることです。もしかして、この100マイルレースで初めて食べるジェルとか用意してませんか?こんな過酷の状況で、初めて食べるジェルなんて、胃を壊す一因にもなりかねません。私はあまりお勧めしてません。いつも食べ慣れたお菓子とかでも良いと思います。
色々なレースで私より確実に走力がある方々が、胃腸問題でリタイアする姿をホントに多く見て来ました。胃腸の強さと走力はあまり関係ないんですね。もしかしたら胃腸が強い人、または胃腸に問題があっても諦めないで歩き続けられる人が完走できるんでしょうね。
確か5、60km地点で「胃腸がダメでもうリタイアします」と諦めていた方がいて、「大丈夫、胃腸は復活するから歩き続けて!」とお伝えしたところ、その方はほぼ残りを歩き、ゆっくりペースで完走されました。そうです。とにかく、前に進むことが重要です。 -
眠気に負けそうな時は少しだけ寝る
眠い=寝る、ではなく、まずはカフェイン(ジェルやコーヒー)で様子を見ましょう。少し勇気は要りますが、エイドで寝られるところがあれば、5分でも10分でも少し寝ておくことも重要です。 -
メンタルが折れそうなときは“誰かを思い出す”
応援してくれた人、過去の自分。誰かの存在が、不思議と力をくれます。また必ず同じペースで走る、歩くランナーがいます。きっとお友達になれますので、辛い時こそおしゃべりしながら前に進むことをおすすめします。 -
“楽しめる瞬間”を見逃さない
朝日、満天の星、富士の影。感動を拾うと、気持ちがグッと前向きになります。 -
「歩いてもいい」「立ち止まってもいい」でも「止まらない」
一歩ずつで大丈夫。とにかく動き続けることが、100マイル完走の鉄則です。胃腸が悪くなってもとにかく歩いて前に進む。胃腸は復活します。 - 気分転換もあり
ドロップバッグがありますので、私の場合はシューズからパンツ、ウェア関連を全部着替えることにしています。これも「さてまた走るか!」と切り替えができるきっかけになります。 - 抜かれても抜き返さない
自分より年上っぽい人にスーっと抜かれた場合、少し悔しくてついて行こうとしてしまうことがあります。特に順位を気にしない方は追いかける必要は全くありません。大丈夫。マイペースで完走できます。 - 調子が良い時にしっかり休む
特に最初の方は皆さん元気なのであまり休むことなく進んでしまいます。私の場合は距離で(例えば15kmおきにとか)しっかり休むことにしています。シューズを抜いて、足を上げてストレッチする等、これができるかどうか、完走のカギかもしれません。
装備|“走る”より“動き続ける”ための備え・装備
Mt.FUJI100は、1日で四季を感じることもあります。大事なのは“快適さ”と“安全”。
- レインウェア:防水・透湿性が高いもの。いざとなれば防風、保温対策にもなります。レインウェアをレインウェアとしてだけに使うのはとてももったいないです。
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防寒着:薄手のダウン or フリース+ベースレイヤー。日中どんなに暖かくても、夜明け前は冷え込みます。
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ヘッドライト2灯以上:400-1,000ルーメン、広角・照射距離を意識。バッテリーの持ちも良いものを。ライトによって段階で明るさ設定ができるものもあります。が、一番明るい設定ではバッテリーがすぐに消耗してしまいますので、それほど明るくする必要はありません。私は一番暗い設定で、周りの人の明かりも使いながら走ります。バッテリーを替えたことはありません。
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モバイルバッテリー:GPSウォッチ、スマホのバッテリーは気温等で消費量が変わります。ヘッドライトのバッテリーをモバイルバッテリーとして使用できるものもあります。
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ソックス&シューズ:クッション性、通気性のバランス重視。とにかくマメができたらメンタル的にも終わりますのでご注意を。
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手袋・キャップ:夜間・雨風対応に必須。保温素材推奨
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ファーストエイド系:胃薬・痛み止め・テーピングなどは“お守り”として持つ
- GPSウォッチ:まだ充電しながら走りますか?45時間以上使い続けることができるGPSウォッチがおすすめです。充電しながら走ることは意外とストレスです。
私はCOROSの旧モデル「VERTIX2」を使っていますが、100マイルを終えた時点でまだ70%バッテリーが残っています。100マイルを3回走れますね・・・
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よくある質問Q&A|100マイル直前の“最後の不安”に答えます
Q. 本当に完走できるんでしょうか?
A. 100マイルは「走りきる」より「動き続ける」レースです。歩きながらでも進み続ければ、完走は十分に狙えます。胃腸が悪くなってもとにかく歩いて前に進むこと。
Q. 仮眠は必要?
A. 眠気対策としては、限界なら短時間の仮眠がおすすめ。仮眠時はしっかり防寒対策を。5分でも10分でも良いので一回寝ておきましょう。目覚ましはかけておいてください!
Q. 食べられなくなったら?
A. 無理にジェルばかり食べず、パン・おにぎり・スープなど「食べられるもの」に切り替えるのが大切です。私の場合は炭酸水が効果がありました。もちろん全員に効果があることはありません。私は炭酸水が好きなだけです。エイドや補給食は意外と甘いものが多く、味に飽きてしまいます。そんな時は味があまりなく、喉にシュワっとする炭酸水が復活のきっかけになりました。ドロップバッグに入れておきます。
Q. 雨・寒さへの対策は?
A. 濡れたままの状態が体力を奪います。防水+着替え+保温装備の3点セットを準備しておきましょう。
Q. 周囲の速さに焦ります…
A. 焦らなくて大丈夫。100マイルは自分との対話の旅。マイペースが最大の武器です。これが一番!
Q. リタイアしたくなったら?
A. 自分の安全・健康を優先しましょう。ただ、多くの壁は“気持ちの整理”で越えられます。「あと1エイドだけ進もう」という小さな決断が、奇跡を呼びます。周りの人や応援、ボランティアさんに助けられることが本当に多いです。
感想(まとめ)|ゴールで見える景色は、人生の景色
完走者の中には、足を引きずりながら泣いてゴールされる方もいらっしゃいます。でもその涙は、苦しみより達成感と誇りから流れたものでしょう。
「自分にも、やり遂げられた」
その経験は、今も人生の支えになること間違いなし。
あなたにも、そんな景色がきっと待っています。
最後に:だから、なんでもっと早く書かなかったんだ、わたし!
ほんとは数か月前に書くべきだったですね。
でも、今あなたがこの記事を読んでいるなら、それは「あとひと押し」が欲しい瞬間だったのかもしれません。
Mt.FUJI100、思いっきり楽しんできてください。
ゴールゲートの向こうには、今まで見たことのない“あなた自身”が待っています。
たぶん!
横浜の空より応援しております。