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徹底解剖!! ~Octa®(オクタ)編 ~

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こんにちは。STRIDE LAB OFFICIAL のニシカワです。

 

本日は、ここ数年アウトドアウェア業界を席巻している Octa®(オクタ) のお話。

 

かなりの勢いで浸透しているので、既に知ってるよ、なんなら愛用してるよ!という方も多いかと思いますが、

オクタ?アクティブインサレーション?動的保温?

などなど色々なワードが出すぎて分かり難いのも事実。

 

そこで本記事では、アクティブインサレーションとは?といった基本的な部分からOcta®のメリットとその秘密に至るまでまとめてご紹介してみたいと思います。

これを読めば、Octa®の素晴らしさがもっともっと分かるはず!!

アクティブインサレーションとは?

アクティブインサレーションとは日本語に直すと「動的保温着」

つまり行動中に着る保温着のこと。

インサレーション=保温着

保温着というと一般的にはフリースもしくはダウンや化繊綿などの中綿ものが思い浮かびます。

 

ただ、秋冬の登山や冬のランニングでそれらを着たまま行動して汗だくになってしまった経験って皆さんありませんか?

特に何も勝手がわからない初心者のとき。だって停まって脱いでバックパックに仕舞うのめんどくさいんですもん。

 

フリースも中綿もその高い保温性が仇となってオーバーヒートを起こしてしまいます。

特にダウンなんて汗で湿ってロフトも無くなってしまうので行動中に着るのはオススメしません。

とはいえ寒い時期にベースレイヤー1枚で行動するわけにもいかず、結果として暑くなったら脱いで寒くなったら着てを繰り返す始末。。

従来のインサレーションとの違い

そうならないように行動中も着用し続けられるのがアクティブインサレーション。

 

従来のインサレーションとの違いは、通気性に優れているということ!

これによりある程度保温をしながら行動中の汗や蒸れを逃し、快適な状態を維持してくれます。

 

例えるなら薄ーい空気の膜を纏っているような感じ。実際に着て行動するとよく分かるのですが、暑すぎず寒すぎずの不思議な感覚です。

こうした保温をしながら通気するという相反する要素を叶えるために、様々な素材や加工、生地といったものを各社開発しています。

その中の1つが今回ご紹介するOcta®です。

このOcta®の他にも Polartec® Alpha(ポーラーテック アルファ) や PrimaLoft® Active (プリマロフト アクティブ)などが代表的ですね。

こんなシーン・人にオススメ

  • 冬のランニング、トレラン
  • 登山・BCスキーなどの行動と停滞を繰り返すアクティビティ
  • 行動中に汗を沢山かいてしまう
  • 行動中の脱ぎ着が面倒くさい
  • 荷物を減らしたい・軽くしたい

アクティブインサレーションは高強度なアクティビティや体温が上がりやすい方、荷物を極力軽くしたい時などには非常に有用です。

ただ、通気してしまうので使っている素材や仕様によってシェルを追加するなど工夫が必要です。正しく理解していくことが大事ですね!

Octa® 徹底解説

Octa®とは?

帝人フロンティア株式会社が開発した異形断面の中空ポリエステル繊維

それが Octa®(オクタ)です。

 

いきなり呪文が飛び出してきましたが下の画像を見ていただくと分かりやすいと思います。真ん中が空洞で、かつ8本の突起が出ているのが分かりますよね?

オクタの名前は古代ギリシア語の「8(オクタ)」から来ています。ちなみにタコの英語名オクトパスもここから。覚えやすいですね。

こんな複雑な構造でありながらオクタの繊維の細さは28μm。髪の毛の 1/3 ほどの細さでこの構造って凄くないですか!?

メリット

オクタにはそのユニークなカタチによって様々なメリットを獲得しています。

保温性(遮熱)

保温をするために一番重要なことは空気(デッドエア)を溜め込むことです。

なぜなら空気は熱伝導率が低く、外気をシャットアウトしてくれるからです。

 

ちなみに空気が存在しない月の昼夜の温度差は 200℃ 以上もあるそうです。これだけでもいかに空気が熱を遮断してくれるかがわかりますね。

 

そしてそのデッドエアを溜め込むには、繊維構造が複雑であることが重要です。

先述した通り、Octa®繊維は8本の突起があることに加えて中心が空洞になっています。そんな複雑な構造の繊維が合わさって生地になってるんですから、そりゃあもうデッドエアだらけです!

吸水速乾性

服が汗を吸う仕組み

突然ですが、液体の入ったコップにストローを挿した時、コップの液体の高さよりストローの中の高さが上がっているのを見たことないですか?

これを毛細管(毛管)現象と言います。表面張力により液体が移動する現象で、その隙間が狭いほど力は強くなります。

私たちの身の回りでも、、

  • 雑巾がこぼした水を拭き上げる
  • 万年筆にインクを移す、それを紙に書く
  • 植物が根っこから葉先まで水を行き渡らせる

このように毛細管現象は溢れていて、服が汗を吸い上げるのもこれと同じ原理です。

 

隙間が狭いほど毛細管現象が強く働くので、繊維構造が複雑なオクタは吸水性に長けています。

また、隙間がある分、吸った汗は生地の広い範囲に素早く拡散されます。「オクタは汗抜けが良い」と言われるのはこれが理由です!

軽量性

繊維の中心が空洞のため同じ太さのポリエステル繊維と比較して半分ほどの重さしかありません。

見た目のロフト感に対して、持ってみたらめちゃくちゃ軽いというのがオクタあるある。

 

 

以上のメリットを見ると、オクタは正にアクティブインサレーションに適した素材ということがわかりますね!

 

Octa®の種類

オクタというとフワフワだったりアミアミの生地を想像する方が多いですが、先に述べたようにオクタは繊維の名前。

編み方によって厚みや密度、グリッドの形まで様々に調整可能ですので色々種類があるんです!

今回は代表的な2種類に絞ってご紹介します。

Octa®CPCP®(オクタ®シーピー・シーピー®)

オクタが飛躍的に知名度を上げたのが2014年に登場したこちらのオクタCPCP。

こちらの最大の特徴は、中綿と裏地が一体化しているということ。

画像のように片面がニットメッシュ地で裏面はオクタが起毛した構造になっています。

それまでのアクティブインサレーションは他の保温着と同様「表地・中綿・裏地」の3層構造が一般的でしたが、

オクタCPCPは裏地がないのでその分通気性、汗処理能力、軽量性の点で従来のものより優れていました。この辺りが人気を集めた理由だと思います。

 

オクタCPCPを使用したオススメ品

本来基布(表地)の裏地として使うオクタCPCPを、単体でフリースとして着用できるようにしたのがこちら。

これによって更なる通気性を獲得している。また表地がないので重さはMサイズでたったの130g!豊富なカラバリも魅力です。

 

Thermo Fly ® サーモフライ®

もう1つ代表的なのが、裏面が部分的に立毛しているサーモフライ。ハニカム構造やグリッド上ににオクタが並んでいるのをよく見かけますね。オクタCPCPよりもさらに汗処理能力を重視したい方はこちらもオススメです。

立毛と表現した通りこのサーモフライの特徴は起毛させないということ

 

起毛加工は機械で生地を掻き出して毛羽立たせています。これにより保温性をUPさせたり風合いを柔らかくしたりしているわけですが以下のようなデメリットも存在します。

起毛加工のデメリット
  • 表面が均一にならず、それによって吸水性にムラが出たり毛玉になりやすい
  • 使用や洗濯により毛が抜けてくること

 

Thermo Fly ®の製造方法

こうした欠点を補うために開発されたのがこのサーモフライ。

では起毛加工をせずどうやって毛を立たせているかというと、これがまた凄いんです!

このようにダブルラッセルという編地を真ん中でカットして半分にしているんです。ちなみにこの半裁の作業が難しく、クオリティを保つ上で熟練工の技術が必要だそう。

それにしても我々がよく見るあの裏地は、実は片割れだったということは驚きですね!

 

立毛によるメリット
  • 肌に当たる面の毛先を均一化することで優れた吸水性を持つ
  • 毛の抜け落ちにくい

毛が抜けたら抜けた分だけ生地が痩せちゃって、買った当初は最高だったのに今は…なんてこともオクタならありません。

あとマイクロプラスチック問題などの環境負荷も無視できないトピックですからね。毛が抜けにくいというのはすごく大事です。

 

サーモフライを使用したオススメ品

裏地全面にストレッチ性のあるサーモフライを採用したミドルレイヤー。表地は20Dの Primeflex(プライムフレックス)なので撥水性やストレッチ性に優れており、幅広い環境・温度帯に対応できます。レイヤリングしやすいフードなしのスタンドカラーというのも嬉しいポイント。

まとめ

以上、話題の素材 オクタの魅力に迫ってみました!オクタがいかに素晴らしいかが伝わりましたでしょうか?

まとめると、

  • アクティブインサレーションは通気する保温着
  • 高強度のアクティビティ・汗っかきの人に最適
  • オクタは異形断面の中空ポリエステル糸繊維
  • 保温性 吸水速乾性 軽量性に優れる
  • オクタは繊維!用途に合わせて色々な生地がある

これだけの魅力があることがわかりました。

ただ、深掘りしたらもっと魅力がありそう。今後もっと革新的な生地が出来そう。

そんなオクタの将来性をビシビシと感じました!

 

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