2025.03.26
【実体験レポート】雨でも歩きたい!雨と寒さの100kmウォーク|装備と完歩のヒント
こんにちは!ストライドラボ横浜川崎店の須藤です。2025年3月15-16日、肌寒い雨の中での100kmウォーク「神奈川100kmウォーク『湯渡し100』」にスイーパーとして参加いたしました。
最後尾を歩いていた訳で、他の誰よりも長い時間、そして寒さの中ずっと雨ざらしで歩いていたという自負がございます。要らない自負です。
寒さで凍えることもなく、雨で身体が冷たくなることもなく、ほぼノーダメージで完歩いたしました。
今回はその経験をもとに、装備や完歩のコツをシェアしたいと思います。
100kmウォークってなに?
100kmウォークは、その名の通り100キロを「歩く」イベントです。結構全国にあります。ランニングやマラソンと違って、とにかく「歩くこと」に特化しています。勝ち負けではなく、自分自身との闘い、そして完歩を目指すチャレンジです!
中には12時間程度で歩いてしまう方も!競歩です。フルマラソンだって歩いてサブ4の方もいらっしゃいます。
先日一緒に歩きましたが、走ってもついて行けません。ホントにスゴイ!
制限時間は大会によって異なりますが、だいたい24〜30時間。「走らなくても歩けば到達できる!」というのがこのイベントの魅力です。ただ、100kmという距離はやはりハンパない…。自分との対話を楽しみながら、一歩一歩進んでいく体験は格別ですよ!
100kmウォークの特徴、大会例
100kmウォークの面白いところは、スポーツとしての側面だけでなく、「旅」としての楽しみ方もできること。沿道の景色を楽しみながら、普段は見過ごしてしまうような小さな発見をしながら進むことができます。
走っていると気づかなかった和菓子屋さんとか、「え、こんなところに〇〇があったの!」といった発見の連続です!
主な大会をいくつか紹介します:
- 三浦半島ウルトラウォーキング:三浦半島周遊ウルトラウォーキング
- しおや100kmウォーク:栃木県塩谷町で毎年開催されている100kmのウォーキング大会
- ぐんま100kmウォーク:全日本実業団対抗駅伝のコースである100kmの道のりを28時間以内に歩くウォーキングイベントです
- つくば100kmウォーク:筑波山麓のつくば古道や旧筑波鉄道筑波線跡の「つくばりんりんロード」を往復して歩くウォーク大会
- 三河湾100kmウォーク:七福醸造株式会社の社員教育の一環としてスタートした大会(私の100kmはここから)
第一回湯渡し100は寒さと雨のダブルパンチでしたが、その分思い出深いものになりました!厳しい条件下での完歩は格別の達成感がありますよね!
歩く練習方法/イベント
「100km歩くの?無理じゃない?」と思う方も多いと思いますが、適切な練習をすれば誰でも可能です!(たぶん)
練習方法のポイント:
- 徐々に距離を伸ばす:いきなり長距離は無理!10km→20km→30kmと徐々に
- 日常に取り入れる:駅まで歩く、エレベーターやエスカレーターを使わないなど
- 連続歩行を経験する:週末を使って5〜6時間歩く練習を月に1回程度
- 寒い雨の日も練習する:春や秋の100kmウォークシーズンに向けて、少し寒い雨の日に歩いてみる!
- 夜歩く練習をする:睡魔や夜明け前の冷え込みを経験しておくこと!
参加しやすい練習イベント:
ウォークのイベントは各地で行われていますが、ストライドラボ横浜・川崎店でもウォーキングイベントを開催しています。
- 東京駅から歩いて横浜中華街の「朝粥」を食べに行くウォーク
東京駅を22:00に出発し、夜通し歩いて8:00に中華街の「馬さんのお店」で朝粥を食べる - 三崎まで歩いて海鮮丼食べに行くウォーク
横須賀駅を20:00に出発し、途中花火をやりながら5:00から開店している三崎の食堂へ行く - 横浜店⇔川崎店往復ウォーク/川崎店⇔多摩店ウォーク
私のオススメは、まずは寒い時期に30kmのイベントに参加してみること。そこから徐々にステップアップすると良いですよ!
完歩のコツ
3月の強烈に寒い雨の中で100kmを歩き切るには、以下のポイントを意識しました:
- マイペース最強説:自分のペースを守ること、抜かれても抜き返さないメンタル!
- 小まめな休憩:無理して歩き続けるより、短い休憩を入れた方が長続き、調子が良い時こそ休めるか!
- 体温管理:動いていると暖かいが、休憩時に急激に冷える。休憩時は必ず何か羽織る
- 歩き方の工夫:坂道は小さい歩幅で、平地ではリズミカルに、時々階段等段差を歩いて違う筋肉を使う
- 風よけを意識:特に3月は冷たい風が体温を奪うので、ウィンドシェル等着用
- マメを作らない:マメができたらメンタルもやられますので、できるだけ作らないようにすること!
- レインウェアの手入れ:長く使っていると撥水機能がなくなります。撥水性がなくなると冷たい雨水が肌にまとわりつき身体が冷たくなるきがします。最悪、しみてくる場合もあります。アイロンをかけ撥水性を復活させてください。
特に3月の雨は冷たく「もう無理…」と弱気になりがち。でも、そんな時こそ「この厳しい条件を乗り越えたら最高にカッコいい!」とポジティブに考えるとグッと楽になりました。
マメ対策は必須です。ガーニーグー等ワセリン的なものをスター前夜から気になるところへ刷り込んでおいてください。
メンタル
100kmウォークは体力勝負に見えて、実はメンタル戦!私が使った心の持ち方をシェアします:
メンタルを保つコツ:
- 細かく区切る:「あと90kmではなくもう10km」とか「次のエイドまであと3km!」
- ご褒美作戦:「次のチェックポイントまで頑張ったら温かいスープ飲もう!」
- 寒さを味方につける:「寒いからこそ歩けば体が温まる、止まったら寒くなる」
- 完歩後の自分をイメージ:「ゴールした時の達成感と温かいお風呂を想像する!」「ヒーローインタビューを考える」
特に、60km程歩くと60km歩いたことのスゴさと、あと40kmある途方もなさで気弱になります。冷たい雨と風が強くなった時は本当に心が折れます。でも「この条件の中完歩したら、いつでも自分を誇れる!」と思い直したら不思議と元気が出ますよ。
特に夜は視界から入る情報量が少ないので、自分のことを考える良い時間になります。新しい自分が発見できるかもしれません。
同じペースのウォーカーがいればおしゃべりして友達になるのもよいですね。
これも100kmウォークの醍醐味のひとつかもしれません。
おすすめシューズ
3月の雨の100kmウォークは、足元から!寒さと雨の対策が超重要です:
シューズ選びのポイント:
- 防水機能必須:Gore-Texなどの防水防風素材が冷たい雨・風から足を守ります
- 防風性も大事:薄いシューズだと足が冷えるので、ある程度の厚みが◎
- クッション性重視:長時間歩くと足裏が痛くなるので、ある程度クッションがあった方が◎
- 指が広げられる:マメができたらおしまい、なるべく指がこすれないように
- 姿勢をよくする:裸足感覚のゼロドロップシューズがおすすめ
ゴアテックスというとゴツゴツしたトレッキングシューズを思い浮かべます。
アルトラにはランニングシューズの履き心地のTORIN 8 GTXがございます。
薄いゴアテックス1枚なので軽く、透湿性もあります。
TORIN 8 GTXについてはこちらの記事でもご紹介しております。
【実践100kmウォーク】ALTRA TORIN 8 GTX:雨の日のランニング・ウォーキング・通勤通学を変える防水シューズ
今回の湯渡し100ではこのTORIN 8 GTXを使用しました。80kmまで浸水なし。80km以降はわざと水たまりを歩く等してやっと浸水したレベルです。歩く場所、雨の強さにもよりますので、あまり防水だからと過信するのもよくないですね。
防水ソックスとの合わせ技を使うとより効果的です。
ウェア
3月の雨の日のウェア選びは命運を分けます!寒さ対策を怠ると低体温症のリスクも:
上半身:
- ベースレイヤー:保温性と速乾性を兼ね備えたウール系(冬用インナー必須)
MOB ウール ロングスリーブ - ミドルレイヤー:フリース+薄手のダウン
【限定商品】 オクタ フリース ジップ フーディ - レインジャケット:透湿防水で少し大きめサイズ(中に重ね着できるように)
フェザー レイン ジャケット (Unisex) - 休憩時の保温着:少し厚めのダウン、コンパクトに収納でき、休憩時にサッと羽織れるものがあると便利
ルフト ダウン フル ジップ←使わなかった!
下半身:
- タイツ:冬用のロングタイツで足元の冷えを防止
秋冬の登山に最適な「Axio 3D」ベースレイヤーパンツ - ボトムス:速乾性のある裏起毛のトレッキングパンツ
アブサロカパンツ(Teton Bros.) - レインパンツ:動きやすさ重視。硬いものだとすぐに歩きづらくなります
フェザーレインパンツ - 防水巻きスカート:あるととても便利、肩にもかけられて防風対策にもなる
Paffy Square(HOUDINI)←防水ではない
頭・首・手:
- ネックウォーマー:首の保温は体温維持に重要
アクシオ 3D ネック ゲイター - グローブ:防水・防風機能付きの手袋(予備も持っていくと安心)
Waterproof Sticky Power Liner Glove Touch(extremities)
お店でよくお客さんに言うのは「3月は油断しないで!」ということ。春とはいえまだまだ寒く、雨が降ると体温が奪われやすいので、レイヤリングで調整できるウェア選びが大切です。
ザック
長時間背負うザックは、快適さと防水性が命です:
ザック選びのポイント:
- 容量:15〜25リットル程度(予備の防寒着も入るサイズ)
- フィット感:試着して背負い心地を確認、背負うというより着るザックというイメージ
- 防水性:レインカバー付きか、中身を防水バッグに入れる
- 取り出しやすさ:歩きながらでもドリンクや補給食が取れる設計
私は今回自分の荷物に加えて、救護品や他社用の温かいウェアを持って行ったので30リットルの軽量トレイル用パックを使いました。3月の雨の日は特に、中の荷物を個別に防水バッグに入れると安心です。予備の防寒着はすぐに取り出せる場所に配置するのがポイントです!
さらにザックのカバーまたはザックの上から被れるエマージェンシーポンチョがあればザックが濡れなくて済みます。
ソックス
3月の寒い雨の中でもソックス選びが命!水ぶくれなしで足が冷えなかった秘訣はコレ:
ソックスの選び方:
- 素材:吸水速乾性と抗菌・防臭効果
- 三重構造:摩擦を軽減して水ぶくれ予防になる三重構造ソックス
- 厚手タイプ:3月はまだ寒いので、ある程度厚みのあるタイプを
- 防水ソックス:靴の防水と二重対策で完璧に近い防水を
- 予備必須:4〜5時間ごとに交換できるよう複数枚持参
私が実践したのは「防水透湿三層構造の防水ソックス」。厚手のソックスですとシューズが履きにくくなるので、薄手の防水ソックスで雨と寒さから足を守りました。予備を含め2セット持っていきましたが、1セットしか使わずに済みました。
ウルトラシンクルー(デクシェル)
シューズが濡れている場合、ソックスを履き替えてもすぐに濡れてしまいます。防水ソックスか防水のシューズを履いていれば気分的に楽ですね。
その他装備
3月の雨の中100kmを歩くために役立った装備をご紹介しますが、特に3月の雨でなくても必要なものもございます。
必携アイテム:
- ヘッドライト:夜間歩行用(予備電池もお忘れなく)
- モバイルバッテリー:スマホの電池切れ防止に(寒さでバッテリーの減りが早い)
- 防水ポーチ:特にスマホを濡れないようにする
- トレッキングポール:特に雨の日は滑り止めに大活躍
- 絆創膏&テーピング:足のケア用
- 使い捨てカイロ:3月の寒さ対策に必須!複数枚持参を推奨
- エマージェンシーポンチョ:緊急時の保温用(裏が銀色の薄いシート)
- 温かい飲み物用小さな魔法瓶:小型の魔法瓶があると心強い
- リップクリーム:冷たい風から唇を守る
特に役立ったのは「エマージェンシーポンチョ」です。3月の雨の中、防水で保温もできます。また、使い捨てカイロを首の後ろ、腰、お腹に貼り付けることで、体の芯からの冷えを防ぐことができましたという方も。
よくあるトラブル
3月の100kmウォーク中に遭遇しがちなトラブルと対処法:
寒さ関連トラブル:
- 低体温症:初期症状(震え、口ごもり)に注意。早めに防寒対策を
- 冷たい雨による体温低下:休憩時には必ず乾いた服に着替える
- 手足の感覚低下:定期的に動かして血行促進。カイロの活用も
- 凍傷リスク:特に指先は要注意。グローブの予備を持参
足トラブル:
- 水ぶくれ:冷たい雨で感覚が鈍くなり、気づかないことも。定期的に確認を
- 靴の中の結露:長時間歩くと靴内部が結露することも。ソックス交換が重要
- 冷えによる筋肉硬直:ストレッチと温めで対応
装備トラブル:
- バッテリー消耗:寒さでスマホやライトの電池が早く減る。保温対策を
- 濡れた装備の凍結:気温が下がると濡れた装備が凍ることも(関東南部ではあまりないかな???)
藤沢、戸塚エイドでは手の感覚がなくなりかけた方が多かったようです。エイドステーションで温かいスープを両手で包み、手袋を乾いたものに交換するのもよいでしょう。3月は「寒さをなめない」ことが重要です!
100kmウォークに挑戦する皆様へのメッセージ
3月の肌寒い雨の中での100kmウォーク、正直キツかったけど最高に楽しかった!ですよね!
このイベントの魅力は、「勝ち負け」じゃなく「自分との対話」にあると思います。寒い雨が降っても、足が痛くても、「もう少し、あと一歩」と自分を励ましながら前に進む。そんな経験が、日常生活でも「あの時100km歩いたんだから、これくらい大丈夫!」という自信につながります。
特に3月の厳しい条件での完歩は特別な思い出になりますよ。「あの寒い雨の中でも歩ききったんだ!」という達成感は何物にも代えがたいものです。
百聞は一見にしかず。ぜひ一度チャレンジしてみてください!最初から100kmは無理でも、30km、50kmと徐々にステップアップしていけば、必ず完歩できます!
まとめ
3月の寒い雨の日の100kmウォークは確かに大変ですが、準備次第で楽しい冒険になります!
ポイントおさらい:
- 適切な装備(特に防水・防寒対策)
- こまめな補給と休憩(体温維持を意識)
- ポジティブなメンタル維持
- トラブル対策は事前に万全に
- 寒さ対策は重ね着とエマージェンシーポンチョがキーポイント
- 雨が降ったら防水ソックスと防水シューズ
私たちスタッフも、100kmウォークに挑戦する皆さんを応援しています!装備選びやトレーニング方法など、お気軽に相談してくださいね。
みなさんの100kmウォーク、心から応援しています!3月の寒い雨の日こそ、最高の思い出になりますよ!
来年の湯渡し100もお待ちしております。。。