2024.03.13
軽いだけじゃない!!Teton Bros. / Feather Rain Jacket , Feather Rain Pants 着用レビュー
こんにちは。STRIDE LAB OFFICIAL のニシカワです。
STRIDE LAB の店頭やオンラインでは続々と春夏ものが入荷してきています。
しっかり着用できるのはもう少し先かもですが、本格的な春はすぐそこ。
今買うのはちょっと気が早いんじゃない?なんてお声も聞こえてきそうですが、
「これを着てどこに行こうかな」「どんなレイヤリングにしようかな〜」などと、買ってから実際に着るまでの間、ひとりで妄想を膨らます時間も楽しかったりしますよね。
本日はそんな24年春夏の注目商品の中から、Teton Bros.の春夏の定番「Feather Rain Jacket 」「Feather Rain Pants」をご紹介いたします!!
・春夏用の蒸れないレインウェアが欲しい
・とにかく軽量性を重視したい
・ランニング、トレイルランニング時のレインウェアを探している
Contents
Feather Rain Jacket / Pants とは
Teton Bros. が展開する春夏シーズンのシェルジャケット・パンツの中で、最軽量なモデルがこのフェザーレインシリーズです!
完全防水の3レイヤー構造でありながらジャケットは200gを切る軽量性に加えて(上下合わせて330g)、多湿な日本の気候にも対応できる優れた透湿性を備えています。
その軽さに対しての耐水性、透湿性、耐久性の高さから通年でお問い合わせの多いアイテム。
定番ではありますが、毎シーズン細部を調整・変更してブラッシュアップしている点も長く愛される理由の1つ。
今シーズンは細部の仕様は昨年そのままに、生地を変更することで耐久性、透湿性、撥水性などシェルとして求められる機能を大幅に進化させました。
基本スペック
Feather Rain Jacket の商品ページはこちら
サイズ:XS~XL
素 材:Stretch Cordura Super Durable 3L
重 量: 190 g (Mサイズ)
サイズ:XS~XL
素 材:Stretch Cordura Super Durable 3L
重 量:140 g (Mサイズ)
Stretch Cordura SuperDurable 3Lってなに?
昨シーズンまでは高密度ナイロンを使用していましたが、今シーズンは同じナイロンでもより丈夫なコーデュラ生地を採用しました!
それによって重さは20g/㎡ほど増しましたが、そのぶん耐久性が大幅に上昇しています。詳細は以下の通り。
軽量でありながら耐久性が抜群の3L生地!
表地はメカニカルストレッチの20デニールのコーデュラ素材で耐久撥水加工済み。裏地はしなやかな7デニールのトリコット。耐水圧20,000mm、透湿性20,000g/㎡/24hという高い防水透湿スペックを誇りつつ、2万回を超えれば最高強度と言われるマーチンデール法による耐摩耗テストで、20万回以上という驚異的な数値を記録。通常のナイロンの7倍の強度があるといわれるコーデュラ素材の特性を最大限に引き出した素材です。素材自体の優れた耐久性は、環境に対する私たちのアプローチの一つでもあります。
引用:「STRETCH CORDURA SUPER DURABLE 3L」Teton Bros.
↑公式ページのテキストから抜粋です。
専門的な用語が飛び交っているので噛み砕いて説明すると、、
繊維自体にストレッチ性を持たせた(ウレタン系繊維の混紡などではない)めちゃくちゃ丈夫なナイロン素材。
コーデュラはアメリカ・インビスタ社の商標で、一般的なナイロンの7倍もの強度を誇ります。
トリコットとは編み方の1つで、横ではなく縦に編んでいく経編(たてあみ)に分類される編地。ストレッチ性に優れ形状安定性も高いためシワになりにくい。また、通気性も高いためスポーツウェアや肌着にはよく使われる生地です。
レインジャケットとしては必要十分なスペックを備えていると言えます。
いわゆるゴアテックスなどと比較すると耐水性は劣りますが、それよりもTeton Bros.らしく蒸れないことに重きを置いた仕様。夏場の多湿な時期の山行でもしっかりと蒸れを外に逃がしてくれます。

基布を撥水処理しているので霧吹きで大量にスプレーしてもこの通り。
耐水圧・透湿性ってどれくらいが正解?
シェル生地でよく目にするこの手の指標ですが、素人目には数字で見てもどの程度のものが必要なのかって少々わかりにくいですよね。
大は小を兼ねるということで「数値が高いの1つ持っとけば安心」というのも間違いではないと思いますが、場合によってはオーバースペックで蒸れてしまったり荷物が余計に重くなったりということも。
より快適で安全に過ごすためにも耐水圧・透湿性についてしっかりと理解して、適切なウェア選びをすることが重要です。
耐水圧:どれくらいの水の圧力に耐えられるか?
耐水圧とは、生地に染み込もうとする水の力を抑える性能を数値化したものです。
一般的に登山などのアウトドアアクティビティで使うには耐水圧20,000mm以上が好ましいとされています。
ちなみに、どうやって測っているかというと、生地の上に1cm四方の水が入る筒を立て、その筒の中に水を入れてどれくらいの高さまで水圧に耐えられるかという実験をして出しています。
耐水圧に対する雨の目安は下のイメージのような感じ。
ちなみに一般的な傘の耐水圧は250mm程度と言われていて、雨を遮断するだけであればこれくらいで十分だそうです。
テントの耐水圧も1,000mm~3,000mmくらいが一般的。軽量なテントでも浸水してくることは滅多にありません。
という疑問が湧いてきそうですが、全くそんなことはありません。
レインウェアの場合はヒトが着る物なので、着用時の動きにより圧力がかかります。
例えば、体重75キロの人の場合、濡れた場所に座り込むと約2,000mmの圧がかかります。濡れた部分と接する面積が小さければそれだけ圧も強くなり、膝まづいた場合は約11,000mmまで圧が一気に上がります。
日常においては雨に濡れてびしょびしょになっても何とかなりますが、隔絶されたアウトドアの世界ではそうでありません。浸水して身体が冷えることは低体温症のリスクを跳ね上げ、命の危険が伴います。
「そんなに大降りにならなそう」「気温も上がってきたし大丈夫」
と過信はせず、山行には必ず十分なスペックを持ったレインシェルを携行するようにしましょう。
透湿性:どれくらい蒸れにくいか
透湿性とは、内側の水蒸気をどれくらい外側に放出できるかを数値化したものです。
つまり透湿性20,000g/㎡/24hのシェル は、「24時間で1㎡あたり20,000gの水蒸気を衣服の外側に逃しますよ〜」ってことです。
ここで気になるのが人間の発汗量の目安ですが、だいたい次のような感じ。
大人の発汗量の目安(1時間あたり)
安静時:約50g
軽い運動時:約500g
ランニングなどの激しい運動時:約1,000g
上記を踏まえると、
最低でも5,000g~8,000g/㎡/24hほどの透湿性が必要。
アウトドアでの使用では最低でも10,000gは必要、20,000gあれば安心と言われています。※シェルが濡れている状態や外気の状況により透湿性は下がることがあります。
ちなみに透湿性20,000g/㎡/24hであれば1時間あたりの処理能力は833g/㎡。
シェルの表面積が大体2㎡くらいなのでその倍の量を処理できるとなると結構な運動強度でも蒸れないということがわかると思います。
ディテール
使用している生地についての理解が深まったところで、ジャケットとパンツそれぞれの特徴を見ていきましょう。
Feather Rain Jacket
フード部分は立体的な構造で、ワンアクションで縦横の調整が可能。また、脇下のベンチレーションは比較的暖かい時期の使用を想定しているため、行動中は常に換気をする仕様。ファスナーがないので軽量です。
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裾のアジャスターは右側1箇所のみ。絞った状態でもドローコードは裾内側に固定されるので草木にひっかかることを防ぎます。また袖口はコールゴム仕様。甲側から見るとフラットな見た目なのでスマートに着れます。
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Feather Rain Pants
ウエストや裾周りはどちらもドローコードでのサイズ調整が可能です。
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サイドのジップは長めに取られており、シューズを履いたままでも着脱が容易です。
他のシェルジャケットとの比較
フェザー(羽)の名の如く軽量性がウリのFeather Rain Jacket 。Teton Bros.内の他の3Lのシェルジャケットと比較してみました。
製品名 | Feather Rain Jacket |
Yari Jacket | Tsurugi Lite Jacket |
---|---|---|---|
防水生地 | Stretch Cordura SuperDurable 3L | Stretch Cordura SuperDurable 3L | Täsmä Lite |
重さ | 190g | 265g | 240g |
Teton Bros. のシェルはどれも軽量なものが多いですが、その中でも頭ひとつ抜き出たスペックですね!
・トレイルランニング時のレインジャケット
・少しでも軽量化したい山岳レース
・予報は晴れだけどもしもの時のお守り代わりとして
↑上記のようなシーンで真価を発揮すること間違いなし!軽くてコンパクトなのでレースの時などは重宝しそうです!
Feather Rain Jacketを着てみた
サイズ比較
サイズ | S | M | L |
着丈 | 71.5 | 74.5 | 77.5 |
裄丈 | 84 | 86 | 88 |
身幅 | 52 | 54 | 56 |
単位:cm 平置きで採寸
実測したところ上のような結果に。
サイズ感としてはオーソドックスなつくりなので、
普段の着用サイズと同じものをお選びいただければ、まず問題ないかと思います。
ちなみに175cm 66kg のニシカワですと
Mでジャストサイズ、Lでややリラックスといった印象。
他のTeton Bros.製品だとMはやや着丈が心許ないことが多いのですが、こちらに関しては丈感も十分。アームホールを始めとして全体的なゆとりがあり、中にインサレーションを着込んでも問題なさそうでした。
↑Mサイズ着用写真 中にOcta®のインサレーションを着ても十分にゆとりがありました。
Lサイズはややゆったりで、中にロフトのある保温着を着るならこちらの方が安心な印象。とはいえラグランスリーブのおかげで自然と肩が落ちるのと、袖も手首の位置でゴムが止まるのでサイズアップしてもオーバーな感じはありませんでした。
着用感
まず感じたのは、「これホントに3レイヤー!?」って思うくらいの軽さと、ソフトな生地感。ウィンドシェルクラスは言い過ぎですが、結構それに近いくらい軽くてしなやかです。ソフトな分コンパクトになるので、バックパックに忍ばせておく際も場所を食わないのも嬉しいポイント。
それでいてシェルとしての耐久性はコーデュラを使っているだけにしっかりあるので、幅広いシーン、シーズンで活躍しそうな間口の広さを感じました。
また、細かい部分ですが袖口のゴムのテンション具合がちょうどよく、手首を締めつけすぎず風の侵入も適度に防ぎつつなグッドバランスでした。ポケットはチェストポケットのみのシンプルな設計ですが、スマホがスルッと入るくらい口が広く、若干傾斜しているため手が出し入れしやすいです。
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まとめ:軽さだけじゃない!シェルとしてのスペックも申し分なしの名品!
Teton Bros. の「Feather Rain Jacket 」「Feather Rain Pants」をご紹介させていただきました。
長く定番として人気のあるシリーズだけに、魅力的な軽さは勿論ありながら耐久性や使い勝手、着心地といった部分も全く手抜かりなく、細部に渡ってティートンらしい丁寧な仕事ぶりがビシビシと伝わる名品でした!
耐水圧20,000mm、透湿性20,000g/㎡/24hと高温多湿な日本の気候にもバッチリ対応出来るスペックに加えて、素材がコーデュラになったことで山行での安心感がグッと増し、今まで以上に幅広いフィールド、シーズンで活躍すること間違いなしだと思います!
ぜひお近くのSTRIDE LAB 各店で実際にお袖を通してみてください!
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