2024.04.04
【Teton Bros.】奇跡の交撚糸 Axio Liteシリーズ レビュー
こんにちは。STRIDE LAB OFFICIAL のニシカワです。
最近急に暖かくなってきて、あわてて衣替えという方も多いんじゃないでしょうか?
日常の装いが軽くなるのと同時に、少しずつアウトドアでの装いも見直していきたいところです。
先日地元の低山に行ってきましたが、ベースレイヤー1枚での山行が気持ちのいい季節になってきました。
本日はそんな春にオススメのベースレイヤーということで、Teton Bros. の Axio (アクシオ)シリーズのご紹介。
本ブログではAxio ってなに?という基本的な部分からその革新的な製法とメリットについて解説していきます。
そしてシリーズの中から Axio Lite Hoody を実際に着用して、気になるサイズ感や着用感などまとめてレビューしていきますのでぜひ最後までお読みください!
・メリノウールのベースレイヤーを探している
・春夏向けの汗抜けの良いベースレイヤーを探している
Contents
Axio(アクシオ)シリーズとは?
Axio(アクシオ)シリーズは、その名の通り、毛織物メーカーである NIKKE が開発した交撚糸「NIKKE AXIO」を使用したベースレイヤーのシリーズ。
尾州ウールとポリエステルのハイブリットウールで、世界で一番機能的なハイブリッドウールを作ろうという共通の目的のもと Teton Bros. が NIKKE と組んで開発した素材を使っています。
2020年に登場以来、その着心地の良さと機能性でシーズンを重ねるごとにリピーターを増やしている大人気シリーズです。
交撚って何?
交撚(こうねん)とは複合素材の作り方の1つで、異なる素材の糸を撚り合わせて一本の糸にすること。
なぜそんなことするかと言うと、(コストダウンではなく)それぞれの繊維のデメリットを減らし、素材の質を向上させるためです。
例えばAxioはウールとポリエステルを交撚しています。
メインとなるウールは多くのメリットでアウトドアウェアとしても非常に人気がありますが、ウール単体だと以下のようなデメリットもあります。
👎デメリット
・毛玉ができる
・洗濯すると縮む(フェルト化)
・(化繊と比較して)乾きが遅い
・耐久性に劣る
そこで耐久性があり、かつ速乾性もあるポリエステルを撚り合わせることで、ウールの弱点を補っているわけです。

革新的な製法 IN-SPIRAL SPIN製法
異なる素材を撚り合わせる交撚ですが、その中でAxio は「奇跡の交撚糸」と呼ばれています。そのワケはAxioの革新的な製法にあります。
NIKKE AXIO登場以前にも「コアヤーン」や「カバードヤーン」など異なる素材の繊維を組み合わせる技術は存在しましたが、いずれもウールのメリットと十分な強度を両立することはできなかったそうです。
従来の紡績交撚糸はウール束の外側にポリエステルフィラメントが巻きつく構造で、かつ糸としての強度を上げるためポリエステルにテンションをかけることでそれをクリアしていました。
それによって当然強度は増しますが、柔らかさや膨らみ感といったメリノウール本来の機能を活かしきれなかったり、凹凸がある分ピリングも起こしやすくなっていました。かといってポリエステルのテンションを弱めればウールの良さは多少出てもアクティブな動きに耐えられる強度がなくなってしまいます。
まさにあちらを立てればこちらが立たずの二律背反の状態で、こうした課題を解決するべく開発されたのがNIKKE AXIO でした。
その製法はIN-SPIRAL SPIN製法と呼ばれ、下図のようにウール繊維束の内側に螺旋状のポリエステルフィラメントが走っている偏心螺旋構造になっています。
画像で見ても、どうやって作っているのか全く想像がつかないレベル。この製法の開発には尾州の職人の方たちの相当な苦労があったに違いありません。
そして、この製法であれば内側にポリエステル糸があるため、従来の交撚糸と違って以下のようなメリットがあります。
👍メリット
・表面はウールだけなので、ウールの肌触りや質感を活かせる
・表面に凹凸がないのでスムースなタッチでピリング(毛玉)も少ない
・ポリエステルフィラメントが螺旋状になっているため伸縮性に富んでいる
それでいてウールのメリットは十二分に活かすことができ、耐久性や強度の面もクリアーと正に長所しかないハイブリッドウールが完成しました。

Axio Lite
そんな機能性抜群なNIKKE AXIOですが、Teton Bros.のAxioシリーズではそれをさらに改良した独自のものを使っています。
独自の製法でウールのメリットとポリエステルの耐久性を両立しているNIKKE AXIOですが、春夏のベースレイヤーとして考えた時には速乾性の点であともう少しというのが Teton Bros. の評価でした。
そこで Teton Bros. が NIKKE と組んでアウトドアウェアとして快適に使える生地の開発に着手。
コアのポリエステルフィラメントに異形断面糸を使うことで水分の拡散性を高め、さらに素早く気化することで急激に体温が上がった時のクーリング効果を付与しました。
さらに、夏でも快適なよう出来る限り薄く軽くしたいという要望のもと、一般的なアクシオより軽い117gsmというアウトドアウェアとして耐えられるギリギリの目付けを実現。
尾州の職人が長年培ってきた知恵や技術とTeton Bros. のアウトドアウェアへの飽くなき探究心が生んだ最高傑作、それが「Axio Lite」です。
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果たして本当に速乾するか実験してみました。
最初のうちはウール表面の疎水性により撥水しますが、軽く圧を加えると内部に浸透。すると右の写真のようにみるみる拡散。異形断面による毛細管現象で水分が広範囲に行き渡りました。
基本SPEC
サイズ:S・M・L・XL
生 地:Axio(ウール 53% ポリエステル 47%)
重 量:185 g ※Mサイズ
Axio Lite L/S / WS Axio Lite L/S
サイズ:S・M・L・XL(S・M・L)
生 地:Axio(ウール 53% ポリエステル 47%)
重 量:150 g (120 g) ※Mサイズ
Axio Lite Tee / WS Axio Lite Tee
サイズ:S・M・L・XL(S・M・L)
生 地:Axio(ウール 53% ポリエステル 47%)
重 量:125 g (95 g) ※Mサイズ
Axio Lite Non Sleeve (Men’s のみ)
サイズ:S・M・L・XL
生 地:Axio(ウール 53% ポリエステル 47%)
重 量:90 g ※Mサイズ

Axio Lite Hoody を着てみた!
素材やスペックについて理解できたところで実際に着てみましょう。
今回は数あるAxio シリーズの中から Axio Lite Hoody をチョイス!
ディテール
こだわっているのは生地だけではありません!
細部に渡って着心地や使い勝手をよくするディテールがモリモリでした!
スムースでストレッチの効いた生地感
チクチク感とは無縁のサラサラした肌触りで、肌離れも良いため汗ばむ時期でも快適に過ごせそうです。
(下に着るレイヤーによっては多少響くかもですが)かなり薄手のギリギリ透けないくらいの生地感で、フーディのつもりで着ると良い意味で拍子抜けするくらい軽量です。
頭部にフィットするフード
春夏向きということもあっってフード部分は締め付けすぎず、かといってゆるすぎずな丁度いい塩梅。
また襟元がオフセットして付けられているのである程度は冷たい外気の侵入をシャットアウトできそうです。
ハンドウォーマーにもなるウエストポケット
デザイン的なアクセントにもなるウェストポケットは肌寒い時にサッと手を突っ込むのに便利。
裏地をつけているわけではないので重量のあるものは無理だけど軽い行動食なんかは入れられそう。
肌あたりの良いフラットシーマ
肩・袖・脇下・ポケット周りにはフラットシーミングの仕様。
袖まわりの肌に直接触れる部分もごろつき感は全くありません。
身体の動きを考えた立体的なパターン
サイドパネルを儲けた立体的な仕様で上半身の動きにしっかりと追従しつつ、脇はガゼットの仕様で腕上げの動作が全く苦になりません。
また、身頃は前後で差寸を設けることでバックパックを背負った時のズレ上がりをカバーしてくれます。
サイズ比較
S | M | L | XL | |
---|---|---|---|---|
着丈(後見頃) | 74 | 76 | 77.5 | 79 |
袖丈 | 68.5 | 70.5 | 71.5 | 72 |
肩幅 | 44 | 45 | 46.5 | 47 |
身幅 | 52.5 | 54 | 58 | 61 |
実際に測ってみたところ上のような結果に。
(平置きで計測 個体差もあるので参考値程度で見ていただけると幸いです。)
身長175cm体重66kgのニシカワで今回Lサイズを着用。
リラックスフィットと謳っているだけに身幅・着丈ともにゆとりがありましたが、
夏場は1.5レイヤー的な使い方もできそうなのと、洗濯による縮みを考慮してLサイズにしてみました。
大体の目安としてはLサイズだと袖はサムアンカーを通した状態で丁度よく、着丈はお尻半分よりちょっと出るくらい。
試しにXLも着てみましたが、身幅・袖はそこまで変化を感じないものの、着丈がお尻をすっぽり覆うくらいでベースレイヤーとして考えるとちょっとオーバーな印象を受けました。

着用感
ポリエステルのコアスパン糸と聞くと、もうちょっとゴワゴワ感があるのかなと予想していましたが、ドレープが出るくらいとろみがある生地感で肌触りも非常にソフトで気持ちいいです。
螺旋構造によるAxio 本来のストレッチ性に加えて、リラックスフィットも相まって体の動きを制限する感じが全くなく、ホントに1日中着ていたくなる感じ。
フーディと聞くとミドラーのイメージがありますが、非常に薄く軽量で通気性も抜群。ベースレイヤーとして春先は勿論、夏の汗ばむ時期の着用もオススメです。
また、フーディで首周りを覆える分、日焼け防止として夏場の高山の山行にもバッチリかと思います。
まとめ
以上、「【Teton Bros.】奇跡の交撚糸 Axio Liteシリーズ レビュー」でした!!
今回改めてAxioの製法について調べてみて、世界で一番機能的なハイブリッドウールの名に違わぬ超絶技巧っぷりに大変恐れ入りました。
それでいて着心地は良い意味で機能素材っぽさを感じさせず、肌触りは完全にメリノ100%のそれ。
登場以来人気がじわじわと増している理由もこりゃ納得!といった感じでした。
気になる方はぜひお近くのSTRIDE LAB 各店でお袖を通してみてください!!